第20話

たまに頼るのはいいと思うけど頼りきりっていうのはよくないと思うから。





私も、そろそろ変わらなきゃいけない―――





―――だから蘭ちゃんに頼りきりの自分からは卒業する―――





―――絶対に卒業してみせる―――






そんなことを考えていると…





「あー美穂ちゃん♪蘭子ちゃん♪」



「…美玲ちゃん…」



美玲ちゃんは、いつも以上に優樹君とくっついてて私が2人をじっとみると美玲ちゃんは私の視線に気付いたのか私の方を見て「フフッ」と笑う。




昨日のこと以来、美玲ちゃんはすっかり私のことをライバルとして見てるようだった。





「なぁにあれ!?いつも私達のこと『ちゃん』づけで呼んだことなんかないくせに優樹の前だからってブッちゃってさー!それに何か、いつも以上に距離近くない!?付き合ってるわけでもないのにさー!」




蘭ちゃんは私にしか聞こえない位の小さな声で言った。





「菊地さんも蘭も、どこ行くの?」

優樹君が聞く。




でも蘭ちゃんは…



「…屋上…」



不機嫌そうに美玲ちゃんをにらみながら言った。





…でも優樹君は全然気付いてなくて…「そっか」とかニッコリ笑って言ってる。





美玲ちゃんはすごく不機嫌そうに私達をにらみつけると優樹君の方を向いて上目遣いをしながら言う。



「…ねぇ優樹君、もう行きましょう。お昼休みが終わっちゃうわ」




「あぁ…そうだね…じゃあね…」




そう言って優樹君が行こうとした時だった。




「お~い優樹~っ!」



優樹君の友達が遠くから叫ぶようにして優樹君を呼ぶ。




「何ーっ!?」



優樹君も叫び返す。




「ちょっと来てくれー!大変なんだー!」




「?分かった~!」




優樹君はそう言うと美玲ちゃんの方を向いて言う。



「ごめん佐々木さん、ちょっと待っててくれるかな?出来るだけ早く戻るようにするから」




「…はい…」



いつも強気な美玲ちゃんだけど大好き優樹君の頼みなら「はい」と言わざるおえないみたいで渋々OKしてる。

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