第3章 小百合ちゃんとの出会い

第19話

―――次の日になった―――…





昨日、美玲ちゃんとあんなことがあったから、できることなら次の日なんて来て欲しくなかった…





でも次の日は来るんだね。





どんなに来て欲しくないって思っても





必ず次の日は来てしまうんだね。







憂鬱で憂鬱で





学校になんて来たくなかった―――…







―――昼休み―――





「美ー穂ちゃんっ屋上行こー♪」




「あ…うん…」







そして今は昼休み。





本当は学校なんて来たくなかったけど…





体調が悪いわけでもないのに「学校を休みたい」なんて、お母さんには、とても言えなかった。






…それに今日は数学があるから…





ただでさえ数学は苦手なのに、今はとくに、すごく難しい所だから授業に1回でも出なかった訳が分からなくなってしまう。





そしたら親や先生を悲しませてしまう…




だから学校にきた…







「ゆーきくーんっ」




私達が屋上に向かってると、またそう叫んで美人な女のコが走って来る。





…美玲ちゃんだ…




…正直、今、美玲ちゃんとは会いたくない…





…昨日のことがあるから―――…






「何!?あれ!せっかく私が忠告してあげたのに!」


蘭ちゃんが、そんなことを言う。





―――そう…蘭ちゃんは昨日のことを知らない―――…





昨日、私と美玲ちゃんの間に、あんなことがあったことを―――…





蘭ちゃんには言ってない―――…





もし蘭ちゃんに言ったら蘭ちゃんは優しいから、きっと美玲ちゃんに文句を言いに行ったり、私のことを、いつもみたいにかばってくれたりすると思う。





でも、それじゃあまた蘭ちゃんに頼りきりの自分になってしまう。





それは嫌だ。





私は蘭ちゃんがいないと何も出来ない人間にだけはなりたくないから。




だから蘭ちゃんには言わなかった。

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