第11話
そこには男の子何人かと楽しそうに話す佐々木さんがいる。
選択教科は座る席が自由なので佐々木さんに見つからない見つかったら昨日ぶつかったこと(ぶつかってきたこと)で、また何か言われそうなので1番後ろの席をとる。
でも、そんなことに全く気付いてない佐々木さんは平然として1番後ろの端っこに座る。
《えぇ!?そんな~…》
そんな私に1番の追い討ちをかけたのは先生のこんな1言だった。
「今から配る紙に隣りの人の似顔絵を書きなさい。尚、これはあくまで今度コンクールに出す絵の練習みたいなものだから時間はかけないで早く、きれいに書きなさい」
《えぇ―――》私は心の中で叫んだ。
私と佐々木さんは距離は離れてるけど1番後ろには、この2人しかいないので必然的に隣りということになり佐々木さんは紙を持って私の方をむく。
2人の目が合う。
2人の動きが止まる。
2人共、唖然としてお互いを見る。
先に口を開いたのは佐々木さんだった。
「―――あなた!昨日の―――…」
「あっ!こっ…こんにちわ…」
昨日ぶつかったこと(ぶつかってきたこと)を責められるのかとハラハラしたけど、そんなことはなかった。
「私、あなた知ってるわよ?」
「…えっ!?」
「いつも学年トップの常連の菊地さんでしょ?まぁ今回のテストは私が1位だったけど」
あぁ…今回はこのコが1位だったんだ…
どおりで2位だと思った…
私はそんなことを考えながら絵を書き始めた。
正直、私にとって順位なんてどうでもよかった。
ただ頑張って勉強して上の方の順位をとれば親や先生などの大人が喜んでくれるから頑張って勉強してるだけ。
だから私にとって成績が1位だろうが2位だろうが3位だろうが別に関係ない。
その3つの中のどの点数をとっても親も先生も喜んでくれるし私はそれ以下の点数をとったことはないので正直どうでもよかった。
佐々木さんにとっては、それが大問題みたいだけど。
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