第12話
そんなことを考えながら、ふと佐々木さんの絵を見るとすごく進んでて顔はもう出来上がりに近い位だった。
佐々木さんの絵は、とても上手く私の特徴が上手く掴んであり、それでいて目とかは、大きく私じゃないみたいに美しかった。
…―――すごい……佐々木さんって美人で勉強ができるだけじゃなくて絵も上手いんだ…―――
そんなことを考えながら自分の絵を見ると…
ほぼ白紙。
線を1本位しか書いてなかった。
それに比べて佐々木さんは、もう少しで書き終りそうなほど進んでた。
“いけない!”そう思い、あわててシャーペンを進めた。
―――放課後―――…
誰もいない美術室。
私のシャーペンの音だけが響く。
カリカリカリカリ…
佐々木さんは、あからさまに不機嫌そうな顔をして私をにらみつけている;
『似顔絵』なのにモデルにならない位;
いかにも「まだ終わらないの?早く帰りたいんだけど」とでも言いたそうな顔をしてる。
こうなった理由は…
―――さかのぼること1時間位前―――…
“いけない!”こう思った私は、慌ててシャーペンを進めだしたんだけど…
もう既に完璧に出遅れてて…
その上きれいで書くのが早かった佐々木さんは書き終わるのが1番早くて…
選択教科の美術は書き終わった人から、どんどん帰って行くので本来、佐々木さんがダントツで1番に帰れるはずだった…
…だけど…
「まぁ!佐々木さん、すごいわね!これだったら今度のコンクール、賞…ううん金賞に入ると思うわ!こんなに上手い絵を書く人、学生ではもちろん大人でも、そうそういないわよ!画家レベル…ううん、それ以上かもしれないわ!あなた将来、絵の道に進まないの?これからが楽しみだわ!」
先生は佐々木さんを褒める。
私も、そう思う。
でも佐々木さんは先生が絵に夢中になって自分の顔を見てないのをいい事に“当然でしょ”って顔をしてる;
そして自信に満ちた表情をして言う。
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