第1章 ずっと前から好きだった人
第2話
昔から、やりたい事も何もなくて、ただ親や先生や大人の言いなりになって勉強ばかりしてた。
そのおかげで成績は、いつも学年トップばかり。
でも、そのせいで私は、どんどん人付き合いが苦手になっていった。
そんなこんなで私は、クラスで近寄り堅い存在になってしまったんだ。
私は、菊地 美穂。
今日も、いつもの楽しくもなく不幸でも幸せでもない、ごく普通の毎日が始まる。
教室に入る。
でも「おはよ~」なんて言ってくる友達は、いない。
私も挨拶は、しないから当たり前だけど。
でも今日は、違った。
「おはよ~美穂ちゃん。」
挨拶してきた人がいた。
私が振り向くと、そこには、たわいもない話で盛り上がる女子グループの輪を抜けて歩いてくる女のコがいた。
私は、その子を見て思わず声をあげる。
「蘭ちゃん!?どうしたの!?今日早くない!?」
「あっうん…目覚ましのセット時間間違っちゃって…」
彼女は、照れくさそうに言った。
彼女は、江崎 蘭子。
彼女はスカートは膝たけ、第1ボタンも開けずに学校指定のリボンをきっちり結び、ブレザーを着たまじめな美穂とは違いスカートは、下着が見えるんじゃないかと思うほど何段も折り、足は、紺のハイソックスではなくルーズソックスに包まれていた。
ブレザーも学校指定のリボンではなく星の模様の派手なネクタイにガイコツの形のピンバッジが付けてあった。
ブレザーは、着ないで代わりに市販のベストを着てYシャツの袖を何段か折り手首が見えるようにしてた。
髪も染めず黒い髪を飾り付きのヘアゴムも使わないで、きっちり2つに結んでる美穂とは違い、鮮やかな茶色の髪を横で1つに分けて横ポニーにしてた。
化粧もバッチリして見るからにまじめな美穂とは正反対のギャルタイプだった。
私と蘭ちゃんは、幼稚園の頃から一緒だった。
私は、親や先生などの大人に怒られるのが怖くて、いつも大人の顔色ばかり見て行動してた。
だから本当にやりたい事なんて、ほとんどできなかった。
そのうち、やりたい事もなくなった。
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