第15話

「フルネームや“この女”って呼ばれるよりマシ」


とクールにいい放って立ち去ろうとした。




…でも蘭ちゃんはそれが気にいらなかったみたいで…




「…あんた、いい気になってられるのも今のうちよ!美穂ちゃんだって優樹の事、好きなんだから!美穂ちゃんだってかわいい方のぶるいだし第1、優樹とは幼なじみ!美穂ちゃんが、その気になればすぐに優樹と付き合い始めるんだから!」



蘭ちゃんは佐々木さんにいい放った。




「!?ちょっと!蘭ちゃん!!」




私が慌てて、そう言った時はもう既に蘭ちゃんが全てを言ってしまった後で…





佐々木さんは…





驚いた顔で私の方を見てる…





…蘭ちゃんは…





「ザマーミロ」とでも言いたそうな顔をして佐々木さんの方を見て“ふふっ”と笑ってる…;





…私は…





…固まってる…;




…3人の中に沈黙の時間が過ぎる…





でも蘭ちゃんは言いたい事だけ言うと


「行こっ!美穂ちゃん」



なんて言って私を無理矢理、引っ張って帰ろうとする…;



私は蘭ちゃんに引っ張られる唖然としてる佐々木さんを残して、その場を後にした。







―――屋上―――




私はあれから蘭ちゃんを屋上に連れてきた。




そして早速さっきの事を責める。



「どうして!?何で美玲ちゃんに私の好きな人言っちゃうの!?好きな人がバレた時『誰にも言わない』って約束してくれたじゃない!」





私は最初あくまで美玲ちゃんが「自分のこと名前で呼んで」って言ったのは蘭ちゃんに対してで私はどうしようか悩んだけど私も一応あの場にいたので名前で「美玲ちゃん」って呼ぶことにした。




でも蘭ちゃんは子供みたいにすねて口を尖らせながら言う。


「だってぇ~…あのおん…じゃなかった美玲ムカつくんだもん!だから、ちょっと懲らしめてやろうと思ってぇ~…」




「でも…!何も私の好きな人言わなくても……しかも、よりによって美玲ちゃんに言っちゃうなんて…」

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