概要
二度と離れるな。誰がなんと云ってもだ。
江戸に暮らす下級武士、柴山小三郎、そして、大身旗本の息子、政木英之助。人知れず密会を重ね、悩み戸惑いながらも愛し合う二人。だが、英之助の部下に出世の邪魔だと反対され、国許から現れた恋敵の出現により、二人は決別してしまう。彼の幸せを願って別れたが、憎まれ、さらに彼には悪い噂が流れ、手のつけようがない状態に……。どこかで断ち切らねばと小三郎は立ち上がる。命をかけて愛した男を守ろうとする武士の姿。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!江戸の情景に溶け込む、あたたかな人間模様
江戸時代、武士という立場にありながら惹かれ合う小三郎さんと英之助さん。二人の恋物語。
武家の跡取りという重責を背負っているからこそ、自分の気持ちを素直に言葉にできなかったり、思わぬところですれ違ったりしてしまう。そんな二人の不器用な関係性がとても愛おしく、武士としての葛藤が描かれるたびに切なさを感じました。
時代小説としての深みがありつつも、するすると読めてしまうのは、文章が読みやすいだけではなく、下男の善兵衛さんや、恋敵の安川くんといった脇を固める登場人物たちがとても魅力的で、物語に血の通った温かみを与えてくれているからだと思います。彼らのおかげで物語の世界に、深く入り込むことができまし…続きを読む