概要
そうだ。君、私の弟子にならないかい?
「私は、魔法を使えない。ゆえに、魔法使いではない。今はまだ、ただの魔法使いの弟子なのさ」
清川素子は、荒井淳太に対してそんな風に自己を紹介した。
初夏の昼下がり、授業にも出ずに上った屋上での出来事だった。
更に何を気に入ったのか、素子は淳太を己の弟子にしようと誘ってくる。
すげなく断る淳太だったが、なぜか執拗に食い下がる素子。
そのあまりの必死さと……どこか縋るような目に、淳太が折れることとなった。
弟子になる気はないが暇な時にただ傍にいるだけならいい、と約束し。
自称『魔法使いの弟子』と、彼女に『弟子候補』と呼ばれる自称不良。
互いに望まぬ才能と欠陥を抱え、孤独だった二人の関係はそうして始まった。
清川素子は、荒井淳太に対してそんな風に自己を紹介した。
初夏の昼下がり、授業にも出ずに上った屋上での出来事だった。
更に何を気に入ったのか、素子は淳太を己の弟子にしようと誘ってくる。
すげなく断る淳太だったが、なぜか執拗に食い下がる素子。
そのあまりの必死さと……どこか縋るような目に、淳太が折れることとなった。
弟子になる気はないが暇な時にただ傍にいるだけならいい、と約束し。
自称『魔法使いの弟子』と、彼女に『弟子候補』と呼ばれる自称不良。
互いに望まぬ才能と欠陥を抱え、孤独だった二人の関係はそうして始まった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!不良と魔法使いの弟子が織りなす少し不思議な青春ドラマ
高校で不良として腫物扱いをされている荒井淳太。ある日授業をサボった彼が屋上で出会ったのは、魔法を練習中の一つ上の先輩――清川素子だった。『魔法使いの弟子』を名乗る彼女は、初対面にもかかわらず淳太を弟子にしようとスカウトしてくるが当然淳太は断る。しかし、彼女はその後何度も淳太の前に現れ、彼も徐々に心を開いていき……。
先輩は実際には魔法らしいことを何もできず、逆に淳太は他人の嘘を見抜くというそれこそ魔法のような力を持っている。そのため先輩後輩の関係とは裏腹に、年上らしい大人っぽい態度を取ろうとする先輩と、それをあっさりあしらう淳太というすぐに力関係が逆転する二人のやりとりがとても楽しい。…続きを読む