最弱幹部〜弱いとバレてはいけない

山椒 雫

第1話 どうしてこうなった…

 ここは魔大国カストル、世界でも最も国力があると言われる魔族たちの国のである。この国が強い理由は武の象徴である 七天と呼ばれる軍の将軍たちがいるからである。


 今、その七天の全員が集まり、会議を開いていた。


第一席 《天魔》 アスタ=レスター


第二席 《赤龍》 ルージュ=ドラゴニア


第三席 《風切り》 シーフ=スカイ


第四席 《影狼》 ミスト=ダーラ


第五席 《白鬼》 グラン=オーガ


第六席 《樹海》 ガイア=フェルシア


第七席 《剣姫》 ニーナ=ソードニス


 そこを取り仕切るのは第一席である俺でだ。


 何で俺がここにいるんだ…

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 「これは… 」

 「いや… 」

 「これだと、… 」


 俺はいつもみんなが話し合ってる時は空気に徹している。だって何言ってるのかわかんないんだもん。


 俺は給料がいいから軍に入っただけなんだ。ラクな部署に入って、目立たずににいるつもりだったのに。なんか訓練兵の時にいまの部下に懐かれて、俺は何もしてないのに、そいつが全て俺の指示でやったとか言うからいつのまにかここまできてしまった。


 七天は実力派揃いで、みんな圧倒的な力を持っている。七天の序列は戦果で決まる。


 それぞれが自分の力に誇りを持っている中で俺みたいな弱い奴が上にいるとか許せないだろ。普通に殺される。だから絶対に実力がバレてはいけない。


 毎回ビクビクしながらこの会議を乗り切っている。早くおわんないかな…

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 「第一席もこれでよろしいですか?」


 話し合いが終わったみたいだ。わかんないからとりあえず、


 「大丈夫だ」


《執務室》


 やっと終わった、長かった…


基本的に俺の仕事は書類関係であり、戦闘は部下に任せている。だって俺が戦場に出たら3秒で死ぬ自信がある。


 「会議が終わったのね、お疲れ様」

 

 今来たのが俺の部下である


《氷結》 レイン=ブラット


 である。


 本当に何で俺の部下なんてやってんだろう。実力的には七天の連中と遜色ないだろ。俺と変わってくれ。


 「任せていた仕事は終わった?」


 自信満々に胸を張って、


 「バッチリよ、あんな雑魚を処理するのにそんな時間は必要ないわ」


 初めての実戦の時にレインが自分の戦果を俺の指示でやったなんて上司に言った時、意味不明すぎて頭が真っ白になったわ。


 本当はこんな立場捨てて隠居生活を送りたいけど絶対にレインが許してくれないし、本当に誰か助けてくれ…


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