第11話 剣姫との決闘

 《決闘場》


 俺は決闘場でニーナと向かい合っている。今にも切り掛かってきそうな迫力がある。


 周りには魔王様や七天のメンバーなど国の重鎮たちがいる。


 一体どうしてこうなった?

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 《1時間前》


 ニーナから村正を返してもらう。いやいらないんだけどな…


 さっきからニーナは無言で見つめてくる。美人が無表情で見つめてくるのは迫力がある。怖すぎる。


 一体どうしたんだろうか?


 ニーナは心なしか興奮しているように見える。


 なんか無性に嫌な予感がする。


 でもここには護衛のレインがいるんだ。大丈夫なは…


 「私と戦おう」


 何を言い出すんだこいつは。勝てるわけないだろ。俺がな。


 村正の使い手と戦ってみたいってことなのか?


 この剣、ほんとロクでもないな。不運でも呼び込んでくるのかこれは。

 

 今はパーティー中だ。周りが止めて…


 「面白いな、決闘場を使うがいい。

村正の力も見てみたいしな。」

 

 魔王様‼︎


 俺を殺す気ですか。そんなの無理だ。


 なんとか断ろ…


 「わしも、アスタの実力が知りたいのじゃ。」


 ルージュが面白そうに笑っている。


 やるの?マジで‼️


 短い人生だったな…

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《現在》


 これは完全に詰んだか。今から試合を辞めるなんて言ったら俺の実力がバレてしまう。


 しかし試合しても絶対死ね。


 これは詰んだか。


 宝具を使えればまだワンチャンあるかもしれないが、剣の試合で使うことはできないだろう。


 「両者、距離をとってください。」


 審判が俺の余命宣告を始める。

殺すなら痛くしないで欲しいな…


 「試合、始め‼️」


 ニーナは素早く剣を抜き、切り掛かってかる。


 死を感じてなのか動きがゆっくり見える。もう諦めて目を閉じる。


 しかし痛みがなかなかこない。不思議に思い目を開けるとなぜかニーナの剣を村正で捌いていた。


 どう言うこと?


 自分の意思とは関係なく体が動いている。俺自身はニーナの動きに対応できてないが体は反応している。


 どうなってんだこれ?まさか俺の秘められた力が目覚めたのか?


 なわけないだろう。自分の身の程は自分がよくわかっている。


 「剣がこんなに使えたなんて驚いた。」


 ニーナは驚いた顔をしている。少し驚いたことで隙ができたのか、気づいたらニーナを剣で吹き飛ばしていた。


 これは村正の能力なのか?


 普通にすごくね。全く殺戮衝動なんて全くないよ。


 まさかめっちゃすごい物貰ったのでは?


 吹っ飛ばされたニーナはすぐに体勢を立て直して再び攻撃しようとするが。


 「ニーナ=ソードニスは試合のリングの外に出たので勝者アスタ=レスター。」


 なんか勝っちゃった…


 現実か?(混乱)

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