第10話 魔剣村正
この世界には特殊な力を持つ武器がある。それらは魔剣と呼ばれとても強力な力を持つ。
それらを強さ順に順位をつけたものが魔剣序列だ。
上から
第一位 魔剣 『神羅』
第二位 妖刀 『朧』
第三位 魔剣 『死海』
第四位 魔剣 『絶空』
第五位 妖刀 『時雨』
第六位 妖刀 『紫水』
第七位 魔剣 『村正』
以下略
俺が魔王様からもらって腰にさしているのは第七位の村正である。この魔剣は世界で七番目に強い。
なぜ今までこんなに強い武器が使われてなかったかと言うと、これはとても曰く付きのものなのだ。
村正の能力は敵の血を吸えば吸うほど切れ味が上がると言うものだ。強化をすれば切れないものはないと言われている。
これだけ聞くと第七位とは思えないほど強力でもっと順位が上がってもいいと思うだろう。
しかしこれには代償があり、使い手に非常に強い殺戮衝動を与えるのだ。
これまで村正を完璧に扱えたものは存在せず、使い手は皆破滅している。
「ねえ、ちょと触らせてよ」
ニーナは村正に興味津々である。
いらないよ、こんな呪物。俺、破滅しちゃうよ。
魔王様は俺が嫌いなのか?
「いいよ、はい」
ニーナに村正を渡す。このままずっと持っててもいいよ。(願望)
「これがあの有名な村正か…」
さらっと渡したけど殺戮衝動は大丈夫なのだろうか?
魔王様から受け取ったとき、めちゃめちゃ身構えたがなんの影響もなかったんだよな。
これまでの使い手の記録が残っているから代償が嘘だとは思えないけど、どういうことだ?
ニーナは思ったよりもすぐに返してきた。あんまり、好みじゃなかったのかな?
なんかすごい顔で俺のことを見てきたけど。
《ニーナ視点》
アスタが魔剣村正を魔王様から頂いていた。村正はその危険性から宝物庫に封印されていた筈だけど。
魔王様はアスタなら扱えると判断したのかな?
魔王様ですら直接持たずに魔法でアスタに渡していた。その瞬間を見ていた一同はアスタの反応を伺っていた。
七天のメンバーは万が一、アスタが代償により暴走した時抑えられるように準備していた。
記録では持った時点で意識を持っていかれて暴走することもあると書いていた。
しかしアスタは平然としていて、なんの影響も受けていない様子だ。
これは一体どう言うことなのだろうか?
「ねえ、ちょっと触らせてよ」
気になって村正を触ってみたかった。アスタは躊躇いもせずに普通に渡してきた。
とても綺麗な剣だ。刃は見たものを意識を奪うほど魅力的なだった。
刃の美しさに目を奪われていると、いきなり強い衝動が襲ってくる。
やばい、今すぐこの剣で斬りたい。
全身で血を浴びたい…
急いで正気を保とうと気を強く持つ。この剣の代償は本物だ。この剣を私は扱うことが出来ないだろう。
今にも意識を剣に持っていかれそうだ。
こんなものを身につけた平然としていられるのは畏怖すら覚える。
さすが、七天の第一席だ。実力の底が知れないな。
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