第13話 隠れた伏兵
やっとパーティーが終わった。ルージュに戦場に連れて行かれてからすっごい大変だった。
休憩なしでずっと動いてた。周りの雰囲気に流されただけだけど。この職場つらすぎる。やめようかな。
今回は村正と一緒に特別手当を貰ったから、まだいいけど。お金は貯まってきたんだけど使う暇がないんだよな。
まぁ、魔族で寿命は長いからいつか有望な新人が入ってきて俺がお役御免になるのを待つか。
さぁ、やっと解放されたから部屋でゆっくり休むか…
固まる体
全身が震え出す
部屋を開けるとそこには机に大量の書類が溜まっていた。机に置ききれなかった分は床に置かれている。
そうだ、ルージュに連れて行かれるまで書類仕事してたんだ。(真っ青な顔)
なんか魔王様からの伝言が書いてある。
『今ある書類は今週中に終わらせてね』
もう一回書類の束を見る。どう見ても二週間分くらいの書類がある。俺の目がおかしくなったのか?
何回見てもしっかりと書類の束がある。最終手段だレインに手伝ってもらおう。俺1人では無理…
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「レイン、書類仕事を手伝ってくれないか?」
めちゃめちゃ頭をレインに下げる。レインが手伝ってくれないと終わらない。
「ごめんなさい、明日から北方に一週間遠征にいかないと行けないの。」
この国の北方は氷雪地帯でありとても気温が低く、生活が難しい地域である。ここは体が丈夫なドラゴンたちが住んでいて、ルージュが守護している。
北方は外敵が少ないため、ルージュは他のドラゴンたちに仕事を任せっきりにしているが。
北方には少数の民族が暮らしていてそこと交流するのに一年に一回レインが駆り出されるのだ。
レインが行く理由は、彼女の種族は氷狼族で故郷が北方であることとドラゴンたちは大雑把なものたちが多いため、交渉ごとに向かないからだ。
北方の寒さに耐えられる者が少なく、その中で実力者といえば、レインしかいないのだ。
レインを貸す代わりに魔王様からウチのところに人員を多めにしてもらっている。
まぁ、俺のところに来る書類は殆どが極秘のものだから俺と補佐であるレインしか見ることが出来なくて、全くおれの負担は減らないのだが。
「仕方ないか…」
まさかこのタイミングでレインがいなくなるとは終わった。(死んだ顔)
「アスタ、私がいない間心配だからこのイヤリング付けといて。」
なんか青い宝石が付いたイヤリングを貰った。レインが強く推して来るから付ける。
「わかった、気をつけて行ってきて。」
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《再び執務室》
右手にはいかにも体に悪そうな緑色の液体が入ったグラスを持つ。これは最近流行っているエナジードリンクである。これを飲めば眠気が来ないらしい。
いざ、参る(社畜な顔)
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『南方軍での軍略の指南依頼』
「絶対におれの管轄じゃないだろ、グランの仕事だろ。」
『騎士団に剣の稽古の依頼』
「俺は全く剣使えないから。
村正がすごいだけだから。」
『剣姫と天魔の練習試合申請書』
「二度とやるわけないだろ。パーティーでやったので満足だろ。
あんなこと何回もやりたくない。」
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《一週間後の結果》
完璧に終わった書類
気絶する俺
(一週間一睡もせずにやった)
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