第20話 謎の生物

 「ゴボゴボゴボゴボ……」


 やばい死ぬ‼︎


 海が荒れまくってて、水面に顔をだせない。呼吸が…

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《30分後》


 完全に意識を失ってた。何とか手首につけている腕輪型の宝具である『完全なる休日』の効果で呼吸困難で死ぬことは無かった。


 『完全なる休日』は使用者がどんな環境でも適応できるようになると言う効果がある。


 すっかりこれの存在を忘れていた。よかったつけてて。


 これが無かったら間違いなく死んでいただろう。


 あと今更だが俺は海の中にいる。意識を失った時、海に沈んでしまったらしい。


 しかしこれからどうするべきか…


 今ここがどこだかもわからない。どうにかして戻ったとしても戦いの最中である。間違いなく俺はチリすら残らないだろう。


 「ぬ…」 


 まさか今結構悪くない状況なのではないか?


 ここまま戻らなければ戦死と判断されることだろう。今まさに仕事を辞めるチャンスなのでは?


 冥海王カリュブディス相手なら七天が死んでも不思議に思われないだろう。


 このままどっかの島や魔大国カストルがない大陸にでも行ってのんびりとしたスローライフでも送るか。


 幸い俺には『完全なる休日』があるから海の中でも呼吸困難で死ぬことはない。


 魔法でも使えば移動できるだろう。 


 「ブホ…」


 なんか目の前にでかい間抜けな顔をしたクラゲみたいなのがいるんだが…


 ほんとに可愛らしいすごい間抜け顔をしていて俺に敵意がないことは分かる。


 でかいクラゲが触手を使って頭に乗るように伝えてくる。


 これは俺を助けてくれるのか?


 このクラゲ、すごい優しい雰囲気を出している。


 恐る恐るクラゲの頭の上に乗る。


 「ぷー…」


 クラゲはすごい可愛らしい声を出しながら海面に上がっていった。


 一体どこに行くんだろうか…

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(一方戦場では)


 「船が見えたわよ。

カリュブディスか船に体当たりをしてるから引き離すわよ。」


 魔力を大量に消費したからか、少し疲れがみえるが戦意は全く衰えていない。


 「カリュブディスに体当たりをするからしっかり捕まってるのじゃ。」


 ルージュはカリュブディスに体当たりをした船から引き離す。


 「少し魔力を使いすぎたから船の上から援護するわ。

あなたはカリュブディスにをこのまま相手をして。」


 レインはルージュの背中から飛び降りて船に行く。


 「お前に言われなくてもわかってるのじゃ。」


 ルージュはすかさずカリュブディスにブレスを放つ。カリュブディスはすかさず海に逃げたが少し逃げきれなくて体の表面が焼かれる。


 「ギャー…」


 カリュブディスはあまりの痛さに咆哮を上げる。


 「なかなか硬いな。

しかも相手は海に逃げられると来た。

面倒な相手なのじゃ。」


 ルージュはカリュブディスの耐久力に戦慄しながら再び攻撃を始める。

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《船の上》


 「アスタはどこにいるの‼︎」


 レインは大きな声でアスタの居場所を聞く。


 「わかりません。

さっきまでは船の上にいらっしゃったのですが…」


 船の乗員はレインの覇気に怯える。


 「チッ…使えないわね。」


 「ヒィ…」


 船の乗員はさらに顔を青くして震え始めた。


 レインはその姿を無視して考え込む。


 アスタのことだから何か理由があるんだろうけど。(ありません。)


 彼なら私たちが来ることをわかっていたはず。(わかりません。)


 シーフはエーギルの対処で手いっぱいね。なら私のするべきは、ルージュと2人でアスタが戻って来るまでカリュブディスの相手をすることね。

         

 レインはカリュブディスに向かって巨大な氷の槍を発射した。

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《アスタ視点》


 「どこに行くんだろう…」


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謎のクラゲ…何か困ってる人が居る。

      助けてあげよう。

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