第21話 パーフェクトコミュニケーション

 「本当に体が硬すぎて攻撃があまり通じないわね。

ルージュのブレスはきいているみたいだけど海の中に逃げられたらどうしようもないわね。」


 レインは船の上からルージュの援護をしている。打開策が浮かばなくて厳しい表情をしている。


 「カリュブディスが海に潜れないように海を凍らせられないのか‼︎」


 ルージュは余裕がないからか口調が変わり、レインに向かって言う。


 「魔力が万全ならできるけどこの空間に入るので大部分の魔力を使ったから無理よ。」


 よく見るとレインの顔色が良くないのが分かる。魔力の使いすぎによる魔力欠乏の症状がでている。


 遠目から見るとシーフも魔力に余裕が無くなってきたのかどんどん動きが悪くなっている。

  

 「く…」


 ルージュはブレスさえ直撃させれればカリュブディスを倒せるのにできないことを歯痒く思いながらカリュブディスの相手をする。


 「このままだと消耗戦になって私たちが負けるわ。

でもこの状況をアスタなら予想できていたはず。

何としてでもアスタが戻って来るまで待たせるわよ。」


 ルージュとレインの戦いがさらに激しさを増す。

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《アスタ視点》


 「何を伝えたいんだろうか…」


 くーちゃんは触手を使ってでかいぷにぷにしたスライムみたいなものを渡してくる。


 ちなみにくーちゃんはこのでかいクラゲに名付けた名前である。名前をつけた時にめちゃめちゃ反応していたから喜んでるはずだ。名前を呼び始めてから機嫌が良さそうだし。


 「これを食えばいいのかな?」


 くーちゃんはジェスチャーで口に入れるように伝えてくる。


 これが食べれるかが不安だがとりあえず噛んでみる。


 「美味しい。」


 後味の残らないすっきりとした甘さでとてもおいしかった。これはスイーツとして売ったら大ヒット間違いなしである。


 ここらなしか疲労がとれた気がする。


 「これまだある?」


 くーちゃんにまだないか催促する。


 追加で3個くれた。あとでまた食べよう。

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 《30分後》


 「何か水面がめちゃめちゃ荒れてない?」


 水面に近づくにつれて周りの水が荒れていた。くーちゃんが結界を張ってくれているのか自分には影響はない。


 「これって…」


 嫌な予感が頭をよぎる。


 遠くに流されたと思っていたけど戦場の真下に沈んでたのでは?


 急いでくーちゃんにこのまま水面に上がりないように伝える。


 くーちゃんはすごいキメ顔で俺のことを見る。


 よかった伝わったのか…


 安心しているとくーちゃんはすごいスピードで水面に向かっていった。


 「違う違う、止まって‼️」


 必死に伝えようとする努力も虚しく、くーちゃんは全く止まってくれない。

  

 「俺のスローライフが…」


         

      

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