第33話 さらなる驚愕
疲れた…
やっと解放された…
レインたちが来てからついさっきまでずっとニーナに捕まっていて、今回のことについて根掘り葉掘り聞かれた。
ふざけんな‼️
知るわけないだろ、俺はただ勝手に連れて行かれただけなんだから…
何とか誤魔化そうとしたらなんかめちゃめちゃ詰め寄ってきたからマジで焦った。
もうわからないから開き直って正直に何も知らないと言ったら、あなたは知っているはずとさらに詰められた…
何だよ全く…
あの人間たちは人間至上主義で魔王暗殺を目論んでた事を言ったら解放してくれた。
マジで疲れた。
俺は一体何してなんだっけ…
(死んだ顔)
てかなんかニーナの俺を見る目が変わってた気が…
•
•
•
•
《ニーナ視点》
アスタが去って部屋にはニーナ1人がいた。
「魔王暗殺を目論んでただと…」
アスタが急ぐほどだから只事ではないと思ったが、まさか魔王様の暗殺未遂とは全く想像してなかった。
「これは暗部でもわからなかったの?」
「あぁ、先の戦争で人間たちは大損害を被ったからその立て直しで大変なのにまだ攻めてくるのは…」
ニーナの後ろに長い黒髪の美女が現れた。
彼女の容姿は全身が黒いため目と唇の赤がとても目立っていて、思わず二度見してしまうくらい胸が大きい。
彼女は
七天 第4席
《影狼》 ミスト=ダーラ
である。
敵国への潜入や、暗殺を専門とした暗部の統括をしている。そのためたくさんの情報を持っている。
「本当に魔王様の暗殺について何の情報もなかったの?」
ニーナは疑っているのか、再度聞く。
「本当に全く情報がなかった。
まさか魔王様の暗殺なんて重要な情報を得られないなんて…」
ダーラは自分の諜報能力に自信を持っていてため目に見えて落ち込んでいた。
彼女は黒狼族と言う種族であり獣の耳と尻尾がついていて、両方共力なくへたっていた。
すると、いきなりドアが開き現場(さっきの倉庫)を調査していた近衛騎士が入ってきた。
「ニーナ様、報告が‼️」
「一体何があったの?」
ニーナはノックせずに入ってきたことを叱ろうと思ったが、近衛騎士の焦りようを見てすぐに話を聞く。
「現場でこちらの宝具を発見いたしました。」
近衛騎士は手に金色の模様が入った黒い外套(位の高そうな人間が来ていたもの)が握られていた。
「それは‼️」
ダーラはすごく驚いた顔をしてその宝具を見る。
「一体これは何なの?」
ニーナはそれが何なのか分からずにいた。
「それは消失したとされる『夜鴉』と言われる宝具で効果は使用者の隠したいことを周りから完全に隠すことができる。
これがあれば全く情報がつかめなかったのも納得。」
ダーラは納得がいった顔をしてその宝具を見ている。
「そんなにすごい宝具なの?」
ニーナはまだピン来ていないのか頭にハテナマークが出ている。
「これは宝具の中でも特に強力なものでこれがあれば魔王様の暗殺が成功してもおかしくない。
正直、アスタが動いてなかったら不味かった。」
ダーラは最悪の状況を想像して顔を青くしていた。
「それはそうとよくこれが『夜鴉』だとわかったね。」
これを持ってきた近衛騎士が言う。
「実は、宝具が好きでコレクションしていてその関係で…」
少し恥ずかしそうに近衛騎士が言う。
「まぁ、まとめるとアスタは国の危機を救ったってことね。」
ニーナは宝具については詳しくないが、暗部よりも早く情報を察知して解決に導いたアスタの手腕に驚愕を隠せていなかった。
※『夜鴉』は危険性を鑑みて魔王城の宝物庫で封印処置を施されることが決まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます