第34話 一難さってまた一難
《魔王の間》
「七天第一席アスタ=レスターを聖国スピカとの外交を魔王の名代として任せることとする。」
どうしてこうなった⁉️
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時は戻って、
《執務室》
カリカリカリ…
一心不乱にペンを走らせている。
「この書類終わったから持っててって。」
終わった書類を近くにいた部下に渡す。
「了解です。」
部下は書類を持って執務室を後にする。
ふぅー。
どうもこんにちは社畜です。
なんか最近物騒なことに巻き込まれてすぎてて、あそこまで嫌だった書類仕事をしているととても心が落ちついた。
この平穏さが心地いい。
(書類の束を見ながら。)
俺はわかったね。
これまではどうやってサボろうか考えていたけど、執務室から出た外には平穏なんてないんだ。
もう俺は嫌と言うほど理解した。
執務室にこもって書類仕事をしている時が一番疲れないんだ。
変なことに巻き込まれることないし。
あ、あ〜
書類仕事楽しいな〜
(疲れすぎて錯乱)
ガチャ、
「アスタ、入るわよ。」
レインが執務室に入った来る。
「なんかあった?」
なんか面倒ごとを持ち込んできたんじゃないかと怪しむ。
「仕事があらかた終わったから手伝いに来たのよ。
ほら、何枚かよこしなさい。」
レインは手を出してくる。
「じゃあ、これを頼む。(レインが女神に見える。)」
カリカリカリカリ…
カリカリ…
カリ…
「そういえば。」
レインは何かを思い出したかのように言う。
「人間のテロを防いだことで褒賞が出るらしいわよ。
あと、魔王暗殺未遂なんて下手に外部に漏らせないからこのことは秘密にしろだって。」
「ふぅーん。」
褒賞…?
ガチャ、
「アスタ様、魔王様がお呼びです‼︎」
え…
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《魔王の間》
「魔王様、アスタ様をお連れしました。」
「おぉ、来たか。入れ。」
扉の中には威厳たっぷりの魔王様が佇んでいた。
もうだめだ、ちびりそう…
「アスタ=レスターここに参上いたしました。(震え声)」
もう全身ビクビクである。冷や汗が止まらない。
何だよ、今回は⁉️
もう勘弁してくれよ‼️
もうサボらないから‼️
書類仕事頑張ってやるから…
(社畜の顔)
「アスタよ、楽にしてくれ。
ここには私とお前しかいないのだから。」
無理だよ‼️
できるわけないだろ‼️
殺されるわ(想像して震える)‼︎
「わかりました。」
とりあえず答える。
「まずはアスタよ。
私の暗殺を未然に察知し、防いでくれたことを心から感謝する。」
「いえ、当然のことをしたまでです。」
(必死に顔をつくる。)
「さすがアスタ。
忠臣だな。
今回のことで褒賞を出したいのだが、何か欲しいものはあるか?」
休みをください。(切実)
「魔王様が存命であることが一番の褒美です。(休み以外はいらない。)」
流石に魔王様に直接休みの打診は無理だわ。怖すぎる。
「何と…。(感動した顔)
それなら何か欲しいものができたらわたしに言うのだ。
できる限り叶えよう。」
「ありがたき幸せ。」
もう、終わった?
帰って…
「あとアスタに頼みたいことがあるのだが。」
「いったい何でしょうか?」
なんか嫌な予感が…
「今回の人間たちを調べたら聖国スピカのものであることがわかった。
先の戦争と今回のことで流石にもうかんかできん。
だからアスタに聖国に使者としていって徹底的に抗議して賠償を払わせて欲しいのじゃ。
聖国には使者を送ると伝えている。」
はい…?
「私が1人でですか?」
「いや、ダーラを連れた行くといい。
今回の任務には適任だ。
あとレインも連れて行け。
他に連れて行きたいものがいたら七天以外なら許可するから言ってくれ。」
「はい…。(拒否権なし)」
死んだ。
俺死んだ。
敵国に行くとか聞いてない…
※戦争での賠償はもらっているが、今回のことがあったため魔大国カストルはさらなる賠償を求める。(アスタが。)
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