第4話 赤龍の到来

 大切な休日が無残に過ぎ去り、今日は普通に仕事である。机には書類の束がエベレストばりにそびえ立っている。


 これやんのか(諦め)……


 今すぐに投げ出して、どこかに隠居したい気持ちを抑えてペンを握る。


 仕事を始めようとするといきなりドアが開く。


 「元気にしてるか、アスタよ。」


 ドアには見た目が小学生くらいの少女がいた。とても可愛らしく、庇護欲をそそる見た目をしている。しかし見た目に騙されてはいけない。


 立派な2本の角が頭に付いており、紅い尻尾が生えている。彼女は龍人族のトップであり、七天の第二席、ルージュ=ドラゴニアである。


 七天は基本的に俺を除き実力で序列が決まっている。そのため彼女は七天最強である。しかも気分屋で気性がトップクラスに荒い。


 もうダメだおしまいだ。俺の中での関わりたくないランキング堂々の一位である。


 彼女が軽くハイタッチしただけで俺は無残な肉塊になることだろう。彼女はなんのために来たのか。

 

 もう吐きそう。


 「暇なのじゃ、なんか面白い事はないのか?

お前がガイアのところの森を無闇に燃やすのを禁止したのだから何か代わりになることを教えるのじゃ」


 なんでーなんでそないことするんガイアさん。相談にはなったけどなんで俺の名前勝手に使ってんの?


 なんか俺に恨みでも合ったのか?何だよこの無理難題。レインはなんでこんなの大切な時にいないんだ。俺の生命線なのに。


 短い人生だったな(悟った顔)…

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「私に挑む、骨のあるやつはいないのか‼︎」


 目の前でルージュが人間の軍を蹴散らしている。


 今、俺は我が国の南方の前線に来ている。なんで俺がここにいるんだろう。


 基本的に魔族と人間は敵対している。と言っても人間が一方的に魔族を敵視しているだけなのだが。


 我が国のらりくらり南側には人間の国々が広がっていで、人間の信仰する教会が魔族は滅すべき敵だとしている。


 そのため、国境線沿いで頻繁に戦が起こるのである。最近は戦いがなくて平和だったのだがそれは軍を温存させるためだったようだ。


 南方の守護は七天の白鬼が担当しており、負ける事はないのだが侵攻してきた軍の数が多く、時間がかかりそうだと報告を受けていた。


 だからルージュに暇なら南方の手伝いに行くことを提案したのだ。もちろん俺抜きで。


 話を聞いたルージュはすぐさま俺を掴んでそのまま南方まで飛んできてしまった。拒否権はなかった。


 一応、レインに連絡は取れたからレインが来るまで生き残ればいいのだか…


 「無駄、無駄、無駄、無駄」


 ルージュは意味不明なことを言いながら人間たちを血祭りにあげ、顔は狂気に満ちていた。


 おうち帰りたい(死んだ顔)


 


 

 



 

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