第5話 全力で隠れる

 ルージュは未だ人間の軍を蹴散らしている。そこそこ時間が過ぎたがまだ結構な数残っている。


 さて、俺はどうするべきか。今、周りに守ってくれるやつはいない。


 これは死んだか…


 とりあえず、隠れよう。


「隠蔽魔術 『透明化』」


 これで姿は隠せた。七天の奴らだったらすぐにバレるがそこまでのやつはいないだろう。


 レインには今いる座標を魔術で送ったから、どこかでこのまま隠れていればいいはずだ。

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《茂みの中》


 俺は今、森の茂みに隠れている。戦場から離れていて周りにも敵はいなさそうだからこのままレインが来るのを待てば…


 なんか穴に落ちたんだけど、なんでこんなところに落とし穴があるんだよ。


 なんか目の前にでかいクリスタルが浮いてるんだけど、なんだこれ?結構大きいな。なんか見たことある見た目してるけどなんだっけな?


《5秒後》


 俺、やばいの見つけてしまったかもしれない。冷や汗が止まらない。


 俺の記憶が正しければこれは転移石だ。とても貴重なもので、読んで字の如くこのクリスタルを起動させると設定された場所に転移することができるのだ。


 マジでどうしよう…


 できれば壊したほうがいいんだけど、俺の力じゃ壊せないし。このクリスタルはとても頑丈で並大抵の力では壊せないのだ。


 見なかったことにして逃げようか。もしかしたら、今すぐに人間の軍が転移してくるかもしれない。俺なんてすぐに殺されてしまう。


 「さすがだな、巧妙に結界によって隠された場所を最も簡単に見つけるとは。

天魔の名は伊達ではないな。」


 ビクッ、この声はまさか。


 「これから敵の転移石を使って攻め入るのだろう?早く行くぞ」


 腕を掴まれる。やばい逃げないとほんとに死んでしまう。


 「敵の精鋭がいるといいな」


 「ルージュさん、ちょっと待っ…」


 クリスタルが起動したことにより光だす。


 終わった何もかも。


 《転移後》


 目の前にはこれから転移する予定だったのかたくさんの軍人さんたち。こんにちは、仲良くしませんか?(死んだ顔)


 「赤龍が攻めてきたぞ、撃ち方始め!」


 軍のトップみたいな人が魔法使いたちに攻撃の命令をする。ルージュは有名だからすぐにバレたな


 ルージュさん助けてもらっていいですか?


 「アスタ、お前は最高だ。」


 ダメだ聞いてない。顔を真っ赤にして興奮している。


 人間たちの攻撃が来る。七天を相手にするからか本気の魔法である。

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 《人間視点》


 どうだ、効いたのか?煙で見えないな。


 いくら赤龍といえども我が軍の全力の魔法にはひとたまりもないだろう。ここには今回の主力となる魔法使いたちがいてくれてよかった。


 ここで七天を一人倒せたら我が軍の士気も上がるだろう。


〔煙が上がる〕


 まさか無傷なのか?


 ありえない、我が軍のエリート達による本気の魔法攻撃だそ。赤龍は少しかすり傷がついているが隣の男は完全に無傷だ。


 これは現実なのか?




 

        


 



 


 

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