第6話 俺の力

 なんとか耐えた。なんで人間たちの魔法が通じなかったのか疑問に感じるだろう。

別に実は俺が強かったとかではない。


 ドラゴンなどの高位の存在はある程度の魔法耐性があったりするがそのなものもない。得られるものものならぜひ欲しい。


 俺は全ての指に指輪をしている。今回、魔法に耐えられたのはこれのおかげである。これがないとチリも残らず消えていただろう。


 この指輪は結界石と言う宝具が埋め込まれている。これは一回だけ攻撃を無効にする能力がある。これのおかげで今、俺は生きていると言っても過言ではない。


 軍に入って最初の頃は前線で働く兵士だった。頑張って訓練すれば力がつくと最初の頃は考えていたが、俺には残念なことに才能がなかった。


 身体能力は平凡で、魔法の適正は平均より少し下くらいだ。これくらいの兵士はザラにいる。多分、毎日農作業をしている農民の人の方が強いだろう。


 俺はすぐに悟った。このままだとすぐに死んでしまう。なんとかしないと生き残れないと必死に何かないか探した。


 そこで目につけたのが宝具である。宝具とは昔に作られて今は再現できない代物のことを指し、強力な力を持つものもある。


 これのいいところは誰にでも使えるところだ。なんの才能もない俺でも使いこなすことができる。


 欠点としては宝具は希少であるため値段が高いのと宝具は魔力をチャージする必要があり、魔力量の多い人しか気軽に使えないのである。


 でも俺にはレインがいる。レインには軍に入ってすぐに懐かれたため、レインが戦果を上げるにつれて給料を上がったため宝具を買うお金を得ることができた。


 宝具に魔力をチャージするのもレインなら簡単にすることができる。完璧である。


 軍で最弱である自信のある俺だが、宝具については右に出る者がいないと自負している。


 使ってない結界石はまだ残っているので、ルージュが人間たちを蹴散らすのを待っていればいいはずだ。

 

 これで勝つる‼︎


《ルージュ視点》


 さすがアスタだな。七天筆頭なだけある。人間たちの魔法は決して弱いものではなかった。防御体制をとっていなければ私でも少なくないダメージを喰らっただろう。


 それなのにこいつはなんの防御体制も取らずに素で耐えたのだ。魔法を使った反応はなく、宝具ではここまで早く反応できないだろう。どこまでこいつは私を喜ばせれば気が済むのだ。


 私は生まれながらの最強である。魔王にも戦闘力では負けるつもりはないがこいつは私よりも上だと直感で感じる。


 こいつはいつも私が頼ベば毎回ワクワクする場所に連れて行ってくれる。もうこれは私に気があるだろう。


 いっつも一緒の戦場にいるとほとんど戦闘に加わっていないが私に譲ってくれているのだろう。


 私は自分よりも強い男としか結婚しないと決めていて、そんな男はいないと思っていたがいた。


 これが運命なのか。これからもよろしく頼むぞ、アスタよ。

 


 

 

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