第30話 イカれた儀式

 「みんなの気合いが高まったところで最後の儀式をしようか。(狂気的な顔)」


 位の高そうな人は両手を広げてみんなに言う。なんか妙に皆んな活気が増したような気がする。


 てか、最後の儀式って何だ?


 「よし、準備するぞ‼️」


 俺をここに連れてきた人がみんなに指示をしてなんか布が被ったものを持ってきた。


 何だこれ、何個かあるけど…


 「布を取ってくれ。」


 位の高そうな人が言う。


 バサァ、


『魔王様と七天が個別に描かれた絵』


 何これ、俺の絵もあるんだけど…


 皆んなあの近くに集まっている。


 何が始まるんだ(背景に徹する)…


 「さぁ、皆んな始めよう‼️」


 位の高そうな人が言うと一斉に、


 「うぉぉぉぉぉぉぉお‼️」


 バキ、バキバキ   バギィ


 「お前のオレは‼️」


 バギィバギィバギィ、バキバキバキ

 

 「この世界のクズが‼️」


 バキ、バキ 、バギィバギィ


 「死んでしまえ‼️」


 バキバキ、バギィ


          etc…

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 これ、やばくね…(ビクビク)


『踏みつけられてバキバキになった絵』


何か俺の絵、特にやられてね⁉️(青い顔)


 他の絵はまだ少し形が残っていて何の絵かわかるが俺の絵は本当に粉々になっている。

 

 全身を拷問されてバラバラになったみたいですごい酷い感じになっている。 

(震えが止まらない)


 何でだ⁉️(冷や汗たらり)


 魔王様の絵の方が無事な気がする。


 俺が多分、魔王軍の中だと一番温厚だよ‼︎(臆病とも言う)


 俺は人間に対して何もしてないよ。 (真実)


 「ふぅー、皆んな結構やったな。」


 「いつもだろ。」


 周りの声が聞こえてくる。


 さっきまで絵を親の仇のように踏みつけていた人たちは一通り、やりたいことをやり終えたのかすごいスッキリした顔をしている。

 

 「やっぱり、天魔(アスタのこと)の絵は特にやったな…」


 「そりゃそうだろ、何てったって七天の中で最も残酷な男だからな。

つい最近の戦い(ルージュに連れてかれたやつ)でも人間を皆殺しにしたらしい。

魔王よりも恨まれてるからな。」


 え…


 皆殺しって何?

(主にルージュとレイン)


 俺ってそんな人間に恨まれてんの…


 本当に?(背筋が凍る)


 マジで、魔王様よりも…


 粉々になった絵が目に入る。


 『粉々になった自分の絵が自分の未来を暗示しているように見える。』


 「マジかよ…(思考停止)」


 知りたくなかった現実を知り恐怖に震えていると、周りのみんなの態度が改まってることに気づく。


 「最後の儀式も終えました。

我が同志たちよ、これより魔王暗殺を決行す…」


 ドガン、


 いきなり倉庫の壁に大穴が空く。


 「黙って死になさい。」


 大量の氷槍アイシクルランスが放たれた。


 ※氷魔術 氷槍アイシクルランス


 氷魔術は扱いが他の属性とは違い元からのセンスの有無が大きいため使い手が少ない。その中でこの魔術は比較的使いやすいが大量に同時展開するのは至難の業で、できるのはごく一握りだけ。レインは簡単にやる。(規格外)


 


 

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