第31話 氷の女王
「黙って死になさい。」
大量の
「敵集だ‼️」
「早く防御魔術‼️」
「こんなところで…」
人間たちは必死に対抗するがレインの魔法には抗えず次々とやられていく。
「同胞たち⁉️」
位の高そうな人と数人は咄嗟の防御魔術の使用によって耐えていた。
「数人しぶといのがいるわね。
どうせ死ぬのに無駄な抵抗ね。」
すると
「あれほどの大魔術だ。
魔力が切れたんだろう。
今のうちに逃げるぞ‼️」
それをチャンスと見た人間たちは逃げようとする。しかし、
「ダメだ、倉庫の周りを囲まれている。」
既に倉庫はニーナが集めた近衛騎士によって包囲されていた。近衛騎士はニーナか認める実力者たちであり逃げることができない。
『時よ凍れ
倉庫全体が青い結界に覆われる。
中にいる人たちは全身が凍ったように動きを止める。
氷魔術とはただ氷を出す魔術ではない。
氷魔術の本質は動きを止めることである。
氷とは水の分子の動きを止めることで発生する。
普通の魔術師ができるのは氷を出すのが限界である。魔術とは明確なイメージをもつことで発動させる。
この世界では分子などと言ったものは知られていない。理屈がわからないものをイメージできるものなど少ない。
だから氷魔術は使い手が少ない。しかもそのほとんどはギリギリ使えるだけでイメージが不十分のため魔術の威力もあまり強くない。
氷魔術は弱い。
それが世界の常識である。
ほとんどの魔術師は炎魔術や風魔術などと言った生活の身近にあってイメージがしやすい魔術を使い氷魔術は見向きもしなかった。
しかし、生まれた。氷魔術の本質を理解して、完璧な動きを止めるイメージをできる者が。
それが、
『氷結』 レイン=ブラット
彼女は
『
ピキィ、
わかりやすく言うなら、凍ったものを急いで冷やすと溶けた物が壊れるように…
まぁ、明らかなオーバーキルだか…
※アスタとのデートを台無しにされてキレていたのを何とか堪えていたが、アスタの粉々にされた絵を見て完全にブチギレた。なお後悔はない模様。
「これで片付いたかしら。」
目の前にあった倉庫は跡形もなくなり、人間たちも見るに耐えない姿になっていた。
「やりすぎ、これじゃ何の情報もわからない。」
ニーナは全ての証拠を台無しにしたレインに苦言を呈す。
「そんなのとっくに集まってるでしょ。
ほら見なさい。」
そこには一人だけポツンと人影が見えた。アスタだ。
「え…」
ニーナはレインの最高位魔術を喰らって無傷でいるアスタに驚きを隠せていなかった。
「私の魔術を喰らっても無傷なんて
流石ね。」
アスタは何事もなかったかのように平然としていた。
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