第29話 心の叫び
「おい、お前はどう思う?」
ガタガタカダ…
どうしよう、話しかけられてしまった。
ヒィ、みんな真剣な顔でこっちを見てる。
ここでやらかしたらどうなるか…
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《アスタの頭の中①》
別に魔族は人間を敵視しているわけじゃないし。
みんな仲良くが一番(頭お花畑)
「魔族と仲良くした方が…」
周りの全員が立ち上がる。
「お前まさか裏切り者だな‼️
殺せ‼️
魔族に魂を売ったやつは生かしておけん‼️」
「ちょまっ!
グハァ(全身を武器で貫かれ死亡。)」
周りから集団リンチにされ、体の原型がなくなる。レインくらいしか判断できない。
これはダメだ。他には…
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《アスタの頭の中②?》
ここはやっぱり魔族を恨んでる感じにいかないとダメだろう。
日頃の仕事の鬱憤を吐き出すように…
「もうゴリゴリだ(書類仕事)
ずっと苦しめられてきた。
(身分に合わない役職)
心が休まる暇がなかった。
(休日でのカリュブディス討伐)
俺は自由が欲しい。
(休みを下さい)」
何を言ってるんだろうか…
魔王討伐の話と関係ないじゃないか…
感情を込めるために仕事のことを考えながら言ったら気持ちが入りすぎてしまった。
もう色々考えても仕方ない。適当にそれっぽいことを言おう。
そうだな、魔王に毒を飲ませ…
「うぉぉぉぉぉぉぉお‼️(周りのみんなが大声を上げる。)」
ビクッ
あれ?
いつのまにか立ち上がってるんだけど…
まさか声に出してた‼︎(冷や汗をかく)
この集団の中で位の高そうな人が俺の前に出てくる。
どうしよう、殺される⁉️
「素晴らしい❗️
さすがは我らの同志。
魔王討伐のことで緊張していて不安が隠せてなかった我らを察してにカツを入れてくれるとは。
お陰で気持ちを入れ直すことができた。
そうだ、我らは自由になりたかったのだ。」
なんか俺の両腕を力強く掴んで熱弁してんだけど。この人の顔をみるとなんかすごい熱に浮かされた顔をしている。
周りも見るとなんか顔が赤くなっていて興奮を抑えきれなくなったいる。
うぅーん?
これはどうにかなったのかな…
全体的に狂気さが増した気がするけど…
「私たちは自由になるのだ‼️」
「うぉぉぉぉぉぉぉお‼️」
うん、大丈夫だろう(目を逸らし)
「うぉぉおー!(周りに合わせる)」
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《レイン視点》
アスタが迷走している一方でレインは仲間集めを急いでいた。
「準備はまだなの⁉️」
レインはすぐにアスタのところに行けないのことで気がたっていた。
「後少し待って欲しい。
アスタが直接動くほどのことだから生半可な戦力じゃ太刀打ちできない。
それなりの戦力を集めるのは時間がかかる。」
ニーナはレインの気迫に怯むことなく言う。
「ちぃ、戦力で言えば私とあなただけでも良さそうだけど敵が集団であった時を考えるとこの王都で討ち漏らしがあったらまずいわね。」
レインは苛立ちながらも冷静に状況を分析している。(多分現場にいるアスタよりも状況をわかっている。)
「魔王様に近衛騎士を連れて行く許可を取ったから今急いで暇な近衛騎士を招集している。
あと少しで準備が終わるから待って。」
※魔王城の警備にあたる近衛騎士は二つ名持ちの軍の中でも指折りの実力者である。もし七天に空席ができたら近衛騎士から選ばれることが多い。(もし今、七天に空席ができたら間違いなくレインが入る)
今更だがニーナは近衛騎士の団長をしている。
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