第16話 拉致られる
俺は船の上にいる。
「やばいぞ、このままだと船がもたないぞ。」
目の前では船のクルーたちが慌てながら船を守ろうと走り回っている。それを見ながら俺は周りに焦っているのがバレないように余裕な雰囲気を出しながら必死に船から振り落とされないように必死に物を掴んでいた。
「アスタ様お願いします。
このままだと船が沈んでしまいます。」
どうしてこうなった?
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《時は戻って》
海水浴を楽しんだ後、夕食を食べて終えてホテルの部屋でくつろいでいた。
「楽しかったわね。」
レインは機嫌が良さそうにホテルのソファーに座っている。
「夕食の海鮮丼は最高だったのじゃ。」
ルージュはその小さな体のどこに入るのか不思議に思うくらいの量の海鮮丼を食べていた。絶対に体よりも大きい量食べていた。
まだお腹がいっぱいじゃないのか部屋に置いてあった果物を頬張っている。
「まだ1日目だからな。
あと一週間以上あるからまだまだ遊べるな。
明日ば何をしようか。」
仕事がないって素晴らしい。心置きなくバカンスを楽しむことができる。
「明日は週に一度の朝市のある日らしいわよ。
とれたての新鮮な海鮮が売ってるって書いてあるわ。」
レインは観光案内のパンフレットを読みながら言う。
「新鮮な海鮮食べたいのじゃ。
今日のよりも美味しいかもしれないのじゃ。」
ルージュはよだれを垂らしながら食い意地を張っていた。
「よし、明日は朝市に行こう。
朝早く行かないといけないから今日は早く寝よう。」
もういい時間だから明日に向けて早めに寝ることにする。こんなにしっかりと寝れるのは久しぶりだ。
明日が楽しみだな…
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《起きた時》
何かすごい揺れてる気がする。なんだ地震か?
久々にしっかり寝れてスッキリとした気持ちで起きると身を覚えない部屋にいる。
隣のベットで寝ていたルージュとレインもいない。と言うかここは個室なのか俺のベットしかない。
ドアが開く。
「やあ、目は覚めたかい?」
ドアには長い緑色の髪をしたクール系な美女がいた。
彼女は
七天 第三席
《風切り》 シーフ=スカイ
である。
彼女は
そのため、海に面した東側の守護を担当している。
だから会うことがあるかもとは思っていたがこれはどういう状況なんだ?
「ここは船の上だよ。
寝ている君を連れてきたんだ。」
彼女はいい笑顔でとんでもないことを言う。
「ルージュやレインはどうしたんだ?」
俺の大切なが護衛がいないことに不安を感じる。
「あの二人は置いてきたよ。
連れてくるのに時間がかかりそうだったから。
本当は連れてきたかったんだけどメッチャ急いでてさ。
あの二人なら君を追ってここまでくるでしょ。」
今回はしっかりとレインを連れてきたのに拉致られるとは思わなかった。
(青い顔)
「なんで俺を連れてきたんだ?」
俺なんて拉致しても使い物にならないだろ。なんで俺を連れてきたんだ。
「今、この近くの海で海王種が暴れててけっこう被害が出てさ。
すぐに対処しないといけないんだけど今回出たのが『冥海王カリュブディス』でさ。
僕一人だと手が余りそうで手伝って欲しいんだ。」
俺のバカンスを返して(切実)
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