第17話 楽しい船の旅(ハード版)
海王種とは海で強い力を持つ5体の魔物のことである。
『深海王 ダゴン』
『漂海王 アプサラス』
『暴海王 ティアマト』
『恵海王 ニュネン』
『冥海王 カリュブディス』
この5体とも古くから存在する魔物であり。たくさんの伝説が残されている。力はまさに天災と呼ぶべきほどであり、この中の1体でも暴れたらその周辺の海全体が大きく荒れるほどである。
海王種はそれぞれ縄張りの海域を持っていて、そこから出ることはほとんど無いため、その海域に近づかなければ襲われることはほとんど無い。
しかし、なぜかこの国の近くに来たらしい。理由は全く分からないが早めに対処しないと海路が使えなくなってしまう。
「と言われても俺は一体何をするんだろう。」
俺は船の上から海を眺めている。シーフは俺に軽い説明をした後にすぐにどっかに行ってしまった。
この船はカリュブディスのいる場所に向かっているようだ。
気持ちは処刑台に行く罪人の気持ちである。俺なんか悪いことしたかな。実力を偽って七天になったからかな。
周りが勝手に勘違いして祭り上げたんじゃないか。勘弁してくれよ。
冥海王カリュブディスは海王種の中でも特に気性が荒いことで有名だ。数えきれないほど多くの被害が確認されている。
俺は今からそいつと戦うのか?
シーフ一人で倒してくれることを祈ろう。
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《ルージュとレイン視点》
朝起きるとアスタがベットにいない。
「先に起きたのかしら?」
不思議に思い、アスタを探しに行こうとする。
「何か書いてある」
アスタのベットの近くに何か書いてある紙が置いてあった。
『アスタは借りていくね
byシーフ=スカイ』
グシャ…
レインはすぐにその紙を握りつぶす。
今にも暴れ出しそうな雰囲気を醸し出す。
「あのアバズレ、よっぽど死にたいようね。」
レインの顔に青筋が浮かぶ。
すぐにルージュを叩き起こす。
「早く起きなさい。」
ルージュは顔に布団を被る。
「何なのじゃ、まだ眠いのじゃ」
「アスタがシーフに連れてかれたは、早く追いかけるわよ。」
さっきまで眠そうだったルージュの雰囲気が変わる。
「それは本当か?」
あまりの怒りに口調が変わっている。
「本当よ、アスタのいる場所はわかるからすぐに追うわよ。」
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《アスタ視点》
何かいきなりヤバそうな海域に入ったんだけどこれやばくない?
空は黒い雲で覆われてて、海は赤いんだけど…
さっきまで周りを飛んでいた鳥たちも気づいたら一匹もいない。
「カリュブディスのいる海域に入ったよ。
もういつ襲われてもおかしくない。
戦う準備をしてね。」
いきなり隣にシーフが現れる。びっくりして声を出すのを必死にこらえた。
「大丈夫だ。」
何も大丈夫じゃないよ。
早くルージュとレイン来てくれ…
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