第24話 迫り来る絶望

《帰りの船の上》

 

 「いやー、本当に助かったよ。

今回はありがとう。」


 シーフはそう言って頭を下げる。


 「あんた、勝手にアスタを連れてってふざけるんじゃないわよ。」


 「そうじゃ、焼き殺してやろうか?」


 レインとルージュはシーフにアスタを拉致られたことに対してキレているのかすごくドスの効いた声で言う。


 全身から怒りのオーラが出ており、今にも手が出そうな雰囲気がある。


 怖過ぎる。俺は内心ガクガクに震えながら必死に普通の顔を取り繕っていた。


 「ぷっぷぷ〜」

 

 くーちゃんはさっきシーフから貰ったお菓子を喜んで食べている。


 君は呑気でいいな…


 「時間がなくて仕方がなかったんだ。

ごめんね。」


 シーフは2人の気迫にけおすることなく平然としている。


 「今回のことは借りにしといていいよ。」


 「む…」


 七天ほどの実力者に借りを作れるのはとても魅力的なことだ。


 2人は渋々な顔で引き下がった。


 悪くなった雰囲気を変えるようにシーフは、


 「街に戻ったら僕が案内をしてあげるよ。

僕が最高の旅行にして見せよう。」


 シーフは自信満々に言う。


 「いろいろあったけど、まだ休みは一週間以上あるんだし楽しもう‼︎」


 休みがまだ残ってると考えたら気分が上がってきた‼️


 海鮮丼とか食べたいな〜

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《港に入るところ》


 『急いで準備をするんだ‼️

準備が出来次第、カリュブディス討伐の援軍に向かうぞ‼️』


 なんかめちゃめちゃ港が騒がしいな。


 「なんかすごい軍が焦ってそうだから僕先に行くね。」


 シーフは船から飛んで港に向かった。


 「どんしたんだろう?」


 不思議に思ったいると、


 「まだカリュブディスが討伐されたことを知らないからでしょ。」


 レインが言う。


 まぁそうか。海王種なんて魔物だから慌てるのも無理ないか。(楽観視)


 ちなみにルージュはカリュブディスとタイマンをはっていたからか疲れて寝ている。


 「そろそろ港に入りますよ。」


 船のクルーが伝えてくる。

    

 よし、さっきまでのこと全部忘れて楽しむぞ‼️

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《船から降りる》

 

 船を降りるとシーフが気まずそうな顔をしながらくる。


 嫌な予感を感じながら港の人達が焦ってた理由を聞く。


 「なんであんなにみんな急いでたの?」


 シーフは歯切れが悪そうに、


 「ええっとね…」


 レインはそれを見てイライラしたのかキツく言う。


 「さっさと言いなさい‼️」


 「怒んないでね?

カリュブディスの空間内では時間がずれていたみたいで僕たちが船で出てから一週間以上経ってたみたいで…」


 え……


 「今、何日?」


 「○日(休暇の最終日)」


 休み終わってるやん(絶望の顔)


 




 



 

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