散り際の月光 ―祟りの果てに聖剣を―/幸さん

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330666673190003


◆レビュー

「月夜の晩は外に出てはいけない。憑き物に喰われたくなければ」


とある病が蔓延する島。

そこでは憑き物という化物が夜な夜な人を襲って喰らう。

そんな憑き物という存在と人類の生存競争を描いたホラータッチの作品だと感じました。


主人公が最初から登場しないと書いてあるように、この作品の主軸は「憑き物」だと感じますが、やや憑き物に対する描写が控えめに感じられました。

悪役や敵役の難しいところは、意外とヘイトを稼ぐのが難しかったりするところで、そういった役どころが、実際にはありえないくらいに酷いことをさせるのも、読者が見ているのがスクリーンの向こう側の世界というところがあるのかもしれません。


特に憑き物の特徴である「人が憑き物に変貌する」「憑き物が人を生きたまま喰らう」といった描写を序盤に入れると、登場人物に感情移入しやすくなるように思います。


キャッチコピーはいっそのことホラーよりの恐怖演出にした方が目を引くかもしれません。


作品としては、「進撃の巨人」に近いように感じたので、そういったダークファンタジー系の作品が好きな方にはおススメできる作品です。

WEB小説の異世界ファンタジーだと、設定的に不利になってしまうのは、良作であるだけに残念なところ。


そして、なろうとカクヨムの違いの一つに話のスキップのしやすさ、というのがあって、なろうだとページ上部で次の話に行けるのに対し、カクヨムだとページを下までスクロールさせないと次の話にいけないので、プロローグがスキップ可になっているところはカクヨムの仕様から考えると惜しい部分かなと思いました。

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