バックマスキング/BISMARC

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330660332667165


◆レビュー

「複雑に絡み合った人間関係は、たった一つのシンプルな事実に収束する」


この作品はいわゆる推理ミステリーのジャンルに分類されるものですが、被害者が冒頭で行方不明となっており、事件性がないことから探偵である主人公に話が降ってくるような流れになっています。


この手の作品はかなり読み進めないと評価が難しい面があるため、大まかではありますが、一通り目を通させていただきました。

話の流れとしては、一般的なミステリの流れを汲んでおり、読み進めるのに苦労するということはありませんでした。


ただ、ミステリとして考えたときに、何よりも気になったのは、登場人物に癖がないというところです。

例えば、嘘をつく際に、視線を逸らす、というのは一般的ではあります。

しかし、それだけでなく、例えば、机の上で指で叩く、耳を触る、手を組む、貧乏ゆすり、などを伴うことが多いのですが、そういった表現があまりされていなかったことが気になりました。


また、完全に読み切れていないせいかもしれませんが、解決までの流れが、やや強引なように感じました。

これは探偵役が主人公ではないせい(全て読み切った感じだと、主人公の兄が探偵役に感じられました)もあり、読者が推理に必要な情報が全て提示されていない状態で謎解きが始まってしまうため、ミステリに謎解きを求める人にとっては不満点になるように感じられました。

その例として、暗号である歌詞が提示されるのですが、その解読が直後に行われてしまうため、読者としては答えの書かれた問題を見るような感じを受ける方も多いかなと思いました。


あとは、ミステリゆえにある程度は仕方ないところもあるのですが、WEB小説として読むことを考えると、最初の3話~4話くらいで一つ謎解き(本編につながるようなもの)を入れると離脱しにくくなるのかなと感じました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る