武器商人は忙しい!/大和タケル

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330668619289315


◆レビュー

「異世界には異世界の戦い方がある」


異世界のモンスターに侵略された世界を救うために、主人公が異世界から武器を仕入れてくるというお話です。

序盤で伏線を張りつつ、状況説明をちりばめながら最後の引きまできれいにまとまっていて、その先を読みたいと感じるような仕掛けは非常に参考になります。


また、ストーリーのメリハリもきいていて、だいたい1話~2話で戦闘シーンと日常シーンを交互に繰り返しており、戦闘の緊迫感を感じつつも、疲れない話になっているところも参考にしたいと感じました。


何よりも、序盤はメインキャラが基本的に2人になっているため、会話の混線も起きにくくなっていて、どうしてもキャラが増えがちになってしまうので、見習いたいと感じました。

この作品は香織がヒロインポジションにも関わらず、あまり深掘りしていませんが、基本的にストーリーは主人公とタケじいの二人で進めていくの(他の作品で言うヒロイン枠はタケじいですね)で、その点は問題にはならないかなと感じます。


主人公の優位性のアピールも、苦戦する状況の演出も簡潔かつ丁寧に描かれていて、お手本のような作品と言えると思います。


欠点というわけではないですが、完璧に近い作品なのですが、一方でとがった部分が無いように感じました。

そのためか、この作品と魅力は何だろう? と考えたときに、うまい表現がぱっと思いつきませんでした。


その理由について考えてみたのですが、主人公が典型的な巻き込まれ型の主人公だからなのかなと感じました。

序盤だからかもしれませんが、葛藤の末に選択を間違えるとか、過去の失敗を引きずる、とか普通の人がごく普通に感じる感情しか表現されていない、淡々と話が進んでしまうために、面白いのだけど何か足りないような感じになるのかなという気がしました。

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