教室四隅同時走/メメ

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330667436992559


◆レビュー

「異世界への扉はここにある」


七不思議の噂、それを試したことによって変な世界へと飛んでしまった主人公が、元の世界へ戻るために奮闘するお話です。

ジャンルは現代ファンタジーですが、ややミステリー寄りかなと思われる作品で、変な世界に飛んでしまった主人公と共に謎解きをするような感じの作品になっています。

謎解きと言いつつも、現代ファンタジー的な気軽さが失われているわけではなく、難しく考えずに、主人公が変な世界で戸惑いながらも進んでいく様子を見ると言った読み方でも楽しめるかなと思います。


一方で、変な世界に飛ばされた主人公の反応に不自然に感じられる部分があり、それが気になると主人公への感情移入が難しくなってくるように感じました。

例えば、「耳からイヤホンを取って食べた」という話があるのですが、「実はイヤホンではなくマシュマロだった」ということで主人公は止めた方が良いと思う一方で、特に追及することもなく流したことに違和感を抱きました。


登場人物がギャル系の人間であるため、会話が通しでギャルっぽいのも、変な世界に飛ばされたあとの会話で変な単語が出てきたとしても、それが普通なのか異常なのかが読者に分かりにくくなっているように感じました。

朝の挨拶にも言えることではありますが、この辺りを飛ばされる前後での比較が取れない箇所がかなりあり、そのことで世界がどう変わったかを読者が認識しずらくなっているのかなと感じます。


地の文が基本的に一人称になっているようですので、主人公に感情移入するような作品なのかとは思うのですが、上のような理由で、今一つ感情移入しきれないところは惜しいなと感じました。

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