友達の異能をコピーする/タマイジュン

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330667492230387


◆レビュー

「友情の力で強くなる!」


主人公の異能をコピーする力を十分に発揮するために、苦手な友達作りに挑戦していくお話です。

主人公が人見知りな性格のため友達を作れないのですが、能力を生かすために仕方なく友達作りをしていくような感じの流れ(本人は友達は欲しいと思っているが一歩を踏み出せない)となります。


アイディアとしては面白いですし、展開も少年誌的な展開ではありますが、若干ご都合主義に感じる部分があり、そこが読者によっては気になるかもしれません。

主人公の能力をコピーする力ですが、コピーされることに周囲が好意的になっています。

しかし、能力が原則として一人一つという設定を考えると、能力=キャラのアイデンティティになります。

これが主従のある関係であれば受け入れやすいのですが、対等の関係性の中で自分のアイデンティティを模倣されるというのは嫌悪感を抱くことが多いと感じます。

そんな中で、主人公の能力が一部ではなく、ほぼ全員から好意的に受け止められている状況には、違和感を感じました。


あとは、主要なテーマに友情というものがありますが、先の能力の問題とも合わせて、友情の必要性が薄いように感じます。

コピーした能力の強さが、主人公の努力(練習)によって強化されるような形になっていますが、それを友情の強さによって変わるような形にして、主人公のコピーした能力が強くなるほどコピー元の能力も強くなるとかにすると、友達を作る、というテーマの必要性がお互いに出てくるのかな、などと思いました。

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