Common tale 〜ありふれた物語〜/仁嶋サワコ(ニトウ)

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16818023213771265886


◆レビュー

「主人公と愉快な仲間たちの珍道中」


主人公が鳥に変えられた勇者の仲間とともに、姿を戻してもらうために旅に出るというお話です。

主人公はチートではないと言いつつ、気づかれないくらい影が薄かったり、剣も魔法もつかえるため、十分チートレベルな気がします。

とはいえ、チート特有の雰囲気はないので、そういうのが苦手な人でも問題はないと思います。


ただ、全体的になんとなくストーリーの展開が遅く感じることが多いのですが、その原因として、全体的に主要登場人物が多いのと、コメディパートの比率が多いせいなのかなと感じました。

登場人物は、だいたいどの場面でも3人になっており、必然的に会話が多くなるのと、会話の流れをつかみにくくなるというのがあります。


会話は基本的に2人でのやり取りにして、それ以外が入る場合は、地の文で明記した方が良いかなと思います。

また、コメディが多めなので、それがハマれば良いのですが、ハマらないと間延びしたように見えてしまうように感じます。

また、コメディの部分でストーリーラインが完全に止まるのも改善点になるかと思います。

例えば、卵を食べようとした父親の下りであれば、最初に孵化させて、「ああ、これから食べようと思ったのに……」みたいな会話をはさむ程度の方が、テンポが良くなるように思います。


特にWEB小説は序盤がキモでテンポが悪いと、その後に続かなくなるのが難しいところです。

例えば、序盤の冷蔵庫の扉のくだりも、何か異常があるのはわかるのですが、一人称視点なのに、その異常が何になるのか分からないというのは、あまりよろしくないと思います。

というのも、一人称視点の強みは主人公への同調にあるのですが、見ているものが何かわからない状況だと、何故主人公が茫然としているか分からない、となり、読者が置いてきぼりにされてしまうと感じます。

一方で三人称視点なら、ぼかすのはアリだと思いますが。

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