識域のホロウライト/伊草いずく
◆作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330664680366899
◆レビュー
「願いを剣とし異世界の魔物を斬る。ただ一つの願いのために」
一人の幼馴染を助けるために、「願い」を喰らう魔物と「願い」を武器として戦うお話です。
識域と呼ばれる仮想世界で戦うのですが、そこでは願いが武器となる世界で、人々の願いを喰らう魔物を倒し、多くの願いを抱えるアイドルの幼馴染を救出するというストーリーとなっています。
世界観などに特異性はあるものの、イメージ的にはVRMMO系の作品に近いかなと感じました。
ただ、そう言った特異性の説明がほとんどなく始まるのでプロローグの戦闘シーンのイメージが難しいと感じました。
文章的には緊張感のある戦闘シーンのような描写になっているのですが、特異性の部分の説明がないため、シーンのイメージができずに、置いてきぼりにされているように感じられました。
これが、例えば、剣や魔法、ダンジョンといった、いわゆるナーロッパの世界観であれば、ほぼ説明が不要なのですが、それから外れる部分に関しての説明がないと、場面をイメージできないかなと思います。
また、文章に空行がない点も気になりました。
これは単純な読みやすさだけでなく、重要な要素が何になるかをわかりやすくするためのものでもありますので、上記の特異性の部分の説明に関しては、前後に空行を入れて目立たせた方が、WEB小説としては読まれると感じました。
ストーリー面では、あまり気にしない人も多いかと思いますが、最初に識域に入った時に、思った以上に動けている点が個人的には気になりました。
これが異世界ファンタジーであったり、ダンジョンが普通にある世界、あるいは、VRMMOの中であるという設定であれば、普通に動けたとしても問題ないのですが、ごく一般的な現代社会の中で死を意識するような場所に送り込まれたとすると、多くの場合は足が竦んで動けなくなると思います。
その点で言うと若干リアリティに欠けると感じる人がいるかもしれません。
もし、死の危険を感じつつも相応に動けるという展開にするのであれば、やはり何かしらのバックグラウンドは必要になるのかなと思います。
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