僕は真っすぐに運転出来ない ―― 始まりの輝き
◆作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16818023212172797179
◆レビュー
「この世界は、偽らずに生きるのがひどく難しい」
女装という行為を通して、LGBTであることに悩みながら生きる人たちの人間模様を描いた作品になります。
扱っているテーマがセンシティブなせいもあって、なかなか話自体の評価は難しいように思います。
LGBTと一言で言っても、その在り方は多種多様なので、それを女装というテーマに絞るのは、人によっては複雑な心境になるかもしれません。
主人公と、その友人はそれぞれGとBのようですが、女装というテーマに一番合致するのは、個人的にはTになるかなという気がします。(あまり詳しくないので何とも言えませんが、GとBは定義上、性自認は同性になるはず)
個人的なイメージだと、GはいわゆるBLというもので、BがBLの攻めの一部(彼女持ち)が該当する感じですね。
もっとも、こういったセンシティブなテーマを扱っているせいか、どうかはわかりませんが、読者とストーリーでの理解の差があり、あとになって、そうだったのというところがあります。
例えば、私が主人公がGであることが分かったのは、友人に指摘されたところだったので、その前のエピソードで主人公が別の人がGだとばれたときの周囲の扱いに影響されて人間関係が疎遠になるというのも、あとから見返せば、そうだとわかるのですが、この時には境界例なのかなと思ったりもしたので、この部分で明記されていると良いかなと感じました。
また、最後のRioの件も、読者目線で見ると、Rioが障害を乗り越えて成長したように見えて、主人公がその成長に対して否定的に見ているようにも取れました。
たぶん、ぼかし過ぎていて、分かりにくくなっているせいもあるのかもしれませんが、WEB小説だと主人公に共感しにくい(ネガティブ思考)のため、若干難しいように感じました。
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