椎名希の日常記/東條 九音

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330647869544098


◆レビュー

「天才の日常は非日常であった」


主人公が住む寮に新しくやってきた転入生により始まる非日常的日常を描いた作品です。

日常を描いた作品ということから、展開自体は日常の延長線上の出来事がほとんどです。

WEB小説の読者像から考えると少数派になるかと思います。


ただ、そのことを置いておいても、ストーリーにメリハリは欲しいような気がします。

設定上は天才か問題児しかいない寮ということになっているのですが、主人公がどういう位置づけなのかが冒頭で明らかにされていないことと、会話なども無難な表現にとどまっているため、今一つ、特徴のない人物(私は主人公が男性であることすら、2話目でやっとわかったくらいでした)のように見えていました。


また、主人公の反応もおとなしく、もう少し派手な感じの動きにする方が、メリハリがでて良いかなと感じました。

例えばとして第6話でヒロインの部屋に入った主人公の反応も、それに気づいたヒロインの反応も薄く、盛り上がりそうなシーンであるにも関わらず、さらっと流されたような印象を受けました。


また、ところどころに別の単語の感じが連続して並ぶようなところがあり、そこで読む流れが止まることがありました。

例えば第1話目冒頭の「この日椎名希は」などは一瞬見ただけだと、どこで切れているのか分かりにくくなってしまいます。

読むときに、止まりそうな部分や違和感を感じやすい部分については、意識しておいた方が良いかと思います。


例としては、上にあげたように別の単語の漢字が連続する場合、同じ単語が短い間に何度も出る場合、同じ助詞が続けて出る場合などは、読者が意識を持っていかれやすくなるので、なるべく少なくした方が良いかなと感じました。

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