イング!/菅原 高知
◆作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330669157826297
◆レビュー
「まったりと冒険する大学生活」
大学に入った4人の新入生が冒険のための新しいサークルを作って、まったりと学園生活を楽しむというお話です。
ストーリーは日常生活ベースのものなので、そこまで波があるわけではないですが、キャラクターの個性はそれなりにあり、日常系ドラマなどの話が好きな人であれば、ヒットするかなと思います。
一方で、4人の主役がいるのですが、そのうちの2人は個性というか方向性がはっきりしているのですが、もう2人がキャラとしての個性が出し切れていないため、実際には3人の話のように感じられてしまうのが少し残念に感じました。
あとは、話の流れが全般におとなしすぎるような気がしました。
サークル勧誘なども、大量のチラシを受け取ったという形よりかは、何か事件(ちょっと強引な勧誘に絡まれたとか)みたいな方が印象には残りやすいかなと感じます。
あとは、作品の文中で冒険であることがわかるのがだいぶ遅いのと、タイトル、コピー、あらすじに「冒険」と書いてあっても、どういったものかという具体例のようなものが無いので、イメージをしにくいように感じます。
冒険ものとかでありがちなコピーだと、「地平線」「水平線」「山の頂」「密林の奥の遺跡」「古代の秘宝」といった、読んでいてわくわくするような単語が入っていることが多いですが、そういったものがなく「冒険」だけですと、読者としても今一つわくわく感を感じられないのではないかと思いました。
もう少し具体的に言うと、冒険に際して、「目指すもの」と「その先で得られるもの」をイメージできるようなものが欲しいと感じました。
端的に言えば、目的地とお宝というところでしょうか。
とはいえ、あれもこれもと言う感じではなく、1つの大きなゴールを書くだけで良いかなと。
例えば、山の頂に立って、そこで雲を下に見ながら朝日を見る、というゴールがあるとすると、そのゴールに向けて体力づくりをしたり、その一環として他の山や遺跡などを巡ったり、必要な道具などを調べたりなど、読者の視点と登場人物の視点が重なりやすくなると思われます。
そうすることで、読者の期待感を煽ることができるかなと思いました。
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