老騎士フェーデの救済/田上祐司
◆作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16818023214071069181
◆レビュー
「老いたる騎士は民のために罪を背負う」
暴君の圧政に虐げられる民たちのために、老騎士が立ち上がり、暴君を倒そうとするお話です。
1話の長さも長く感じるようなことがない分量で、読みやすいので、その点は良いのですが、今一つ、話の盛り上がりに欠けるように感じました。
と言っても、1話目は暴君の圧政について細かく書かれていて、雰囲気が伝わってくるのですが、その後が老騎士も、暴君も、その側近も「強い」と語られるだけで、強さが分かるような描写がないことが大きいと感じました。
どれくらい力の差があって、どうすれば勝てるのか? という道筋すらも、読者には想像できないものとなります。
結果として、読者にとってみると、バッドエンドしかないエンディングに勢いだけで突っ込んでいく主人公にしか見えなくなり、感情移入がしにくくなるように思います。(まるで特攻隊をみているような感じですね)
かといって、そこまで追い詰められているのかと思えば、逃げる先がきっちり用意されているということで、主人公の動機がさらに弱くなってしまうように感じました。
さらに言えば、その逃げの手を拒否するだろうと知りながら、少女にしか教えなかったというのも、あまり良いとは思えませんでした。
これは、他の人たちの命を自分に賭けさせるために、少女をダシにしたようにも見えてしまうからです。
作者の意図としては、老騎士と少女の関係性を強調したいという意図があるのだと思いますが、命を賭ける状況としては、あまりにも緊張感に欠けるような印象を受けてしまいました。
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