ダンジョンアタック自衛隊/@yukkurireisa

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16818023214064506946


◆レビュー

「ダンジョンは自衛隊でも命がけでした」


突如として日本国内に出現したダンジョンを攻略するために自衛隊員が奮闘するお話です。

現代ダンジョンものとしては、たいてい戦闘のプロでは手が出ない理由をつけたりする中では珍しい部類に入る作品かなと思われます。


ストーリーとしては、無難な感じで進みますが、読者に危機感を持たせる要素が少ないように感じました。

もっとも、仮に犠牲者が出ると、作中で登場人物が言っているようにマスコミの餌食になるのは目に見えているので、実際には難しいとは思います。


その一方で細かい部分で現実的でない行動が多いように感じました。

例えば、最初にダンジョンに送る部隊を問題のある部隊を選ぶ理由として、「他にもダンジョンがあるのではないか」として、「そのために精鋭部隊を温存する」というのは現実的な判断としては苦しいかなと感じました。

現実問題として、仮に派遣した自衛官が全滅したとしたら、確実にマスコミの餌になりますし、それが全力でやってダメだったではなく、捨て石のように選んだとしたら、なおさらですね。



また、派遣された部隊のメンバーがトラップにかかるところも、戦場よりも厳しいと言っていた割に壁に手をつくなどと油断しすぎではないかなと感じました。

現代の戦場においてもトラップが仕掛けられている場合は少なくないですし、その多くは爆発物を使ったものとなりますので、1つのミスで部隊が全滅してもおかしくないものとなります。


壁や扉は元より、地面に地雷が埋まっていたり、通路の死角にクレイモアが仕掛けられていたりすると考える方が普通かなと思うのですが、それを踏まえると先の部隊選定のことも含めて、自衛隊の危機感が無さすぎるように感じました。


ストーリーや設定などは良いのですが、あまり自衛隊という戦場のプロを使うメリットを生かせていないように感じました。

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