超魔導兵器アルテミス/神里みかん

◆作品URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330666638885643


◆レビュー

「蘇った騎士は未来なき世界の未来を切り開く」


アダマント・フレームというロボットに乗って、2つの巨大勢力が対立する近未来の世界で戦うお話です。

主人公はアルテミスという名前の機体に乗って、戦場を駆け回る。

ジャンルがSFということもあり、地理的条件は現代とあまり変わらないようですが、政治的な背景が現代と大きく異なっております。

基本的な対立思想は武装を集中するか、分散するか、という話だと理解しました。

ただ、そういった背景が、短い文章に詰め込まれていて、正しく理解するのは難しいと感じました。(これは私自身SFモノが得意でないせいかもしれませんが)


とはいえ、1話目の世界設定の部分はそこまで複雑ではなく、理解も難しくはありませんでした。

ただ、2話目以降で1話目の世界設定の中心がアメリカ(WACとWLF)であるのに対し、舞台が日本になっており、これまた別の対立構造(強硬派と穏健派)というものが出てきたことにより、理解するのに難儀してしまいました。

そういう意味では、SF好きのマニアックな方向けの作品のように感じました。


ただ、それを除いたとしても、文章内の感じの比率が多く、読むのに苦労される方が多いかなという印象を受けました。

そして、武器管理委員会であるWACと武器解放戦線であるWLFの名前が似ていることも関係していると感じました。

この2つは漢字だと3文字目まで見ないと違いが分からないことも関係していて、略称であれば最初の2文字、名前の頭の「武器」を外せば最初の文字で区別がつくことを考えると、以降で略称を使わないのであれば、頭の「武器」を取った形で使えるように最初の段階で武器解放戦線(解放戦線)「~(WLF)」みたいにして、以降解放戦線でも通るようにした方がすらすらと読めるように感じました。


登場人物の多さも敷居を上げる要因になっていると思うのですが、これは戦争モノでは難しいかなと感じました。

ただ、それ以外にも描写がもう少し詳細が欲しいなと思った部分があり、たとえば「一瞬、現実と夢の区別がつかなくなる。だが、目の前の出来事が現実だと確信し、砲弾を発射しようとした時だった。接近アラームが鳴り響き、機体がガクンと揺れる。気付くと画面に砲身破損と表示されていた。」のように、視点の持ち主が何を見たのかわからない(何回か読んでやっと理解しました)ような部分がありますので、こういった部分を書き足すと、読みやすくなるのかなと感じました。


読解力が低いと言えばそれまでですけれども、上のように「一瞬、黒煙の中から浮かび上がる傷一つない敵機に現実と夢の区別がつかなくなる」とか「その敵機から放たれた砲弾による接近アラームが鳴り響き」とか一言付け加えるだけで場面をイメージしやすくなるので、もったいないようにも感じました。(なお、この補足は想像です)

とはいえ、書いている本人は、頭の中にはイメージができているので、気づかないことが多い(私も含めて)ので難しいところです。

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