命の器の物語

「置いてかないでよう……」産まれたばかりのカップは、大好きだった“あの人”の名前も自分の名前もなくしていました。仲間に出会い、「五つ窪み」という新しい名前をもらい、自分を作ってくれたあの人の名前を探すため、パートナーを得ようとします。

　世界は、カップ達の過ちで、本当の姿を失い、本来のあるべき姿も失っていたのです。あの人の名前を取り返し、正しい願いを言えば、世界は元の正しい姿を取り戻せるのです。

　でも、黒くて、デカくて、不器用な五つ窪みは失敗ばかり。綺麗な踊り子の籠目に心惹かれますが、籠目は意地悪で前途多難。

　冬の寒さで次々と割れて死んでいくカップ達、「やがて、すべての踊り子が死ぬ冬が来る」そしてあの人から届くメッセージ「生き直し」の謎。
　五つ窪みはあのひとの名前を見つけて、「世…続きを読む