概要
その世界では、噛まれた獣人に絶対の愛を持つ。それを愛と呼ぶかは別として
月華は天帝と呼ばれた獣人の末裔。月の移ろいと共に性別が入れ替わり、普段は男として生活している。月華は故郷に棄てられ、仕える守護獣人天駆を一人従えて、幻都という街で学生として暮らしていた。湿気た風が吹きだまるように、獣人と人が入り混じる幻都。そこで、まるで家族すべてのように振舞う天駆に甲斐甲斐しく世話を焼かれ、いつかは故郷へお連れすると言われて暮らしてきたが、月華は天駆に甘えながらも、彼から独り立ちするのを夢見ていた。ところが月華の一族が次々と奇妙な死を遂げ、月華は故郷に迎えられることになる。同時に、一族の守護獣人タンレンが月華に、天駆と離れるようにと迫る。ある日、月華は天駆が自分を「噛んだ」過去を知る。獣人に噛まれた者は、その獣人に絶対の愛を抱く。自分が今まで天駆に向けてきた愛情が強制的な支
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?