珈琲豆のお話

ねこ沢ふたよ@書籍発売中

第1話 劣等生ロブスタ

 ベトナム・ロブスタ。

 通称ベトログ。

 アフリカが原産地のロブスタ種の豆。

 ベトナムは、このロブスタ種の豆の世界二位の産地となっている。


 とっても苦いコーヒー豆。

 それだけでは、とても飲むことが出来ないほど。

 カフェインの含有量も多く苦い豆だから、日本では不人気だと言われている。

 ネットのサイトによっては、工業用なんて書かれていることもある。


 じゃあ、どうしてそんな豆が生産されているのか。

 

 それはね。この劣等生のロブスタ君にも、大切の役割があるからなのだ。


 ロブスタ君は、とても安い豆。

 ブレンドすることで、高い豆の値段を緩和してくれる。


 なんだ。金銭的な話か。

 劣悪な粗悪品を混ぜることで嵩ましに使われているのか? だから工業用? それって、コンビニ弁当の上げ底と同じ役割? そんな風に思った?

 

 否定はしない。

 でも、肯定もしない。


 だって、ロブスタ君を混ぜる理由は、それだけではない。

 個性的なロブスタ君の味わいと香り。

 それは、他の豆と合わせることで、とてもブレンドの幅を広げてくれる。


 それに、とっても大切な役割として、アイスコーヒーにする時に、大活躍するのだ。


 ロブスタ君の苦みが、アイスコーヒーとなった時には、とても必要な要素となる。

 他の豆だけでも、もちろんアイスコーヒーとして成立するし、それはそれで美味しいアイスコーヒーとなる。

 だけれどもね。

 この劣等生のロブスタ君を試しにブレンドしてしてみれば、その苦みが、とても良い味わいを作ってくれていることに気づくはずだ。


 だから、アイスコーヒー用のブレンドでは、ロブスタ君がたくさん入っているのだよ。


 同じベトナム産の優等生アラビカ君と、劣等生のロブスタ君を、ぜひともアイスコーヒー用にブレンドして試して見て欲しい。

 同じ国の優等生と劣等生。

 劣等生ロブスタ君のキラリと光る個性を感じるはずだ。

 

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