第3話 器用貧乏のコロンビアSUP

 C・SUP、コロンビア・スプレモ。

 とても優等生の豆。

 あの品質の良い豆の多い大生産地のコロンビアで、スプレモ……つまり、最優秀の称号を持つ、超優等生の豆。

 スプレモとは、スペイン語で「最高級の」という意味なのだ。


 ちなみに、このSUPという称号は、コロンビアならではの称号。他ではSHBだったり、G1だったり、各国でそれぞれの方法、基準で豆の等級を分けている。(だから、豆界隈よ! そろそろ国際基準を!!)


 で、その優秀なスプレモ君。どうも、人気がイマイチな気がする。

 マンデリンG1や、モカシダモ、ガテマラSHBなど、他の国の優秀な豆たちと並ばせると、どうも在庫がだぶついてしまう気がする。


 その理由を察するに、どうもスプレモ君が、器用貧乏過ぎるのではないかと。


 スプレモ君。粒ぞろいの素晴らしい豆で、香りも味わいも良い。コーヒー豆として想像する味をそのまま再現したら、きっとスプレモ君の味わいになるだろう。

 そして、それこそが、スプレモ君の器用貧乏なところ。


 華やかな味わいのガテマラSHB、甘さひきたつモカシダモ、どっしりとした味わいのマンデリンG1。そんな個性的な豆と並んでみれば、どうもスプレモ君は目立たない。だから、こんなに優秀なのに、二番手、三番手に回ってしまいがちだ。


 真面目な眼鏡キャラ的な立ち位置?

 ああ、≪≪副≫≫生徒会長とか、図書館でひっそり本を読んでいるタイプか?

 主人公とヒロインの恋を燃え上がらせてしまう当て馬キャラ??


 優等生で、何でもわりとこなせるから、逆に目立たない……的な?


 このスプレモ君、コーヒー豆に興味を持ち始めた人のチュートリアルには、もってこいの豆だと思うのだが、残念だ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る