第4話 モカマタリはイエメンです
インドの偉いお坊さんが、どうしてモカマタリを恋を忘れた若者に渡したのか。
そもそも、ルンバは、インドの踊りではなくキューバの踊り。
キューバの豆ならば、モカマタリではなくクリスタルマウンテンでは?
なんてことを思わなくもないこともない。
だが、まあ、そこは、歌の雰囲気を楽しむものだから。
細かいところは、目をつぶろう。
盗んだバイクで走り出したり、校舎の窓を叩き割ったりすれば、窃盗と器物破損にならないだろうかと心配するのと同じくらいに野暮というものだ。
恋の媚薬になるかどうかは知らないが、このモカマタリ。とても人気のある豆。
甘い香りと味わい。
ちなみに、喫茶店にあるカフェモカは、エスプレッソコーヒーにスキムミルクを入れチョコレートをかけた物。エスプレッソにチョコレートをかけたら、なんだかモカっぽい風味にならない? なったよね? ってことで、「カフェモカ」という名前になったのだと言う。
きゅうりにはちみつでメロン味になる! みたいな発想のネーミングで楽しい。
そんな風にチョコレートに例えられるほどに甘い風味のモカ。
みんなのアイドル的存在だ。
モカとは、元々、港の名前。
イエメンにあるモカ港から輸出される豆を、「モカ」と呼ぶようになったのだそうだ。
コーヒー豆の名前には、産地の名前が関連していることが多い。
モカマタリの「マタリ」も地名。
「マタリ」は、イエメンの「バニーマタル」地域のことで、ここで産出された珈琲豆が、「モカマタリ」と呼ばれるのだ。
もう一つ。モカの代表的な豆に、「モカ・シダモ」という豆がある。
これももちろん名前の由来は産地。「シダモ」というエチオピアの産地で栽培された珈琲なのだ。
え、エチオピア???
おい、エチオピアって……モカ港どこに行った??
いやいや、エチオピアからイエメンのモカ港を経由して……無理だ。エチオピアは、紅海を挟んでイエメンの向かい側だ。
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