第5話 あまれろぶるぼんぼんじゃるでぃんって、噛まずに言いましょう

 豆の名前は、産地の名前が多い。

 前回の話で出てきた、モカマタリもモカシダモも、港の名前と産地の名前。

 表題の名前もそうだ。


 ボンジャルディンという農園で採れたアマレロブルボンだから、この長い名前。

 では、アマレロブルボンとは? 

 アマレロは、黄色という意味。ブルボンは、マタリを故郷にする珈琲豆がブラジルに持ち込まれた品種。ブルボン種の豆ってことだ。


 つまりは、黄色いブルボン種の豆で、ボンジャルディン農園で採れた珈琲豆だ。そういう意味で、アマレロブルボンボンジャルディンなんて、長い長い名前となっているのだ。


 珈琲豆販売をするならば、この豆の注文が入れば、「ブラジルのアマレロブルボンボンジャルディンでございますね!」と涼しい顔で申し上げなければならないが、ええ、わたくしは、一度の言えたことはございません。アマエロ……アマレロブルボンボンギャ……、客が心配になるくらいに噛み噛みとなる。


 インドネシア・カロシランテカルア、エチオピア・シダモ・シャキッソ、コロンビア・エクセルソ……等級や産地、豆の品種を元にしたこれらのややこしい名前。


 これらの意味が分かれば、それぞれの豆の特徴も何となく想像できる。

 豆の名前を調べれば、その豆のルーツや農園を想像して楽しくなる。


 とても良い名前のシステムなのだが、せめて農園の名前は、皆様、呼びやすい名前でつけていただけると、とっても助かる。

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