第6話 コロコロPB

 PB(ピーベリー)は、とっても小さな丸いコーヒー豆。

 ブラジルのピーベリーが、ピーベリーの中でも手に入りやすい。


 ピーベリーと言う品種がある訳ではなく、普通のコーヒー豆の品種にまれに出来る丸い小さな豆だ。

 本来、コーヒーには、二つの種が入っているのが、何が作用したのか種が一つしか入っておらず、平たいあの形にならずに、コロコロとした丸い形になってしまったのが、この豆。とても可愛らしい見た目の豆。


 この豆が、珍しいコーヒー豆が飲んでみたい愛好家の間では、人気がある。

 収穫量の中でほんのわずかしかとれないピー・ベリー。小さな豆に、風味も凝縮されて美味しいという話だ。まだ飲んだことはないけれど。

 だって、このピー・ベリー、希少な豆なので、お値段が可愛くないのだ。高い!

 とても庶民が気軽にたしなめる豆ではない。

 比較的手に入り安いブラジル産でも高いのに、普通でもお高いハワイのコナ・ファンシー(問屋値段で一キロ一万円弱、ちなみベトナムロブスタ君は、一キロ七百円前後)のピー・ベリーともなれば、どうなることやら。

 

 でも、本来ならば、生育不良として捨てられそうな規格外の豆なのに、逆にその小さな豆の特質で希少豆として活躍するピー・ベリー。

 なんだかとても嬉しく感じる。


 日本の農業においても、規格外の野菜が、こんな風にその特性を生かして活躍できる場が広がればいいのになと思う。サイズの小さなトマトや曲がったきゅうり。逆に大きくなり過ぎた野菜。そんなのが、特性が認められて研究されて、美味しく楽しめたら、新しい食の世界が広がるかもしれない。


 


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