第7話 コーヒーを淹れる最適温度
コーヒーをドリップするには、最適な温度がある。
そう聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
コーヒーは、沸かしたてのお湯では、苦みが出てしまい美味しくなくなってしまう。だから、沸かしたてのお湯を一分から二分程度冷まして、九十度ほどになってからドリップするのが、美味しいコーヒーを淹れるコツの一つ。
そして、できるだけお湯はゆっくりと少しずつ注ぐ。
そのために、コーヒー用の湯を注ぐポットは、あんなに細長い注ぎ口になっている。美味しいコーヒーを淹れやすくするための工夫なのだ。
そういう、合理的な理由で独特な形状をしている道具は、とても美しいし楽しい。
では、注がれる方のコーヒーカップはどうだろう?
紅茶を注ぐ器ティーカップと何か違いが?
同じ器で提供されることも多いと思うが、微妙に違いがあるのだ。
紅茶は、高い温度で抽出されるから、少し口が広いめ。温度が冷ましやすくなっていて、コーヒーカップは、それよりも幾分か口が狭くて冷めにくくなっている物が多い。
なるほど。
そう思ってネットでいくつかのティーカップとコーヒーカップを検索してみると、カップの形が違う物が多い。
細い注ぎ口のコーヒーポットに、紅茶の茶葉を踊らせるためにずんぐりしたポット。
冷めにくくするために狭い口のコーヒーカップに、少し冷めやすくするために口の広い紅茶カップ。
さまざまな人達が、試行錯誤して今の形に行き着いたのだろうと想像すれば、そこに物語が広がっていく。
初めてこの細い注ぎ口を作った時には、周囲はどんな反応だったのだろう?
どれほど悩んだのだろう?
考えるだけでワクワクしてくる。
これだから、道具は見ていて面白い。
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