珈琲豆のお話

第8話 水出しコーヒー

　沸騰してすぐの水よりも、少し冷ました湯でドリップした方が、苦味成分が出にくい。

　その究極の方法が、水出しコーヒー。

　喫茶店で専用の器具で抽出している姿を、コーヒー好きは見たことがあるのではないだろうか？

　この方法で時間をかけて抽出したコーヒーは、マイルドで苦味が少ないだけでなく油分が少ないので、冷蔵庫で冷やしておいても味に変化が出にくいのだ。

　抽出の目安時間は、六時間程度というから、とても気の長いスローフード。

　これ、ご家庭でお手軽に楽しむ方法がある。

　お茶っ葉様のパックにコーヒーの粉を入れて、ポットに放置。お好みの濃さに抽出されたら、コーヒーの粉を取り出して捨てる。

　専用よ器具には敵わないかもしれないが、十分楽しめて美味しい。

　夏のドリンクの一つにもってこいだ。

　おすすめは、苦味の強い深煎りの豆、しっかりと細かく砕いて味の出やすい粉。

　そう、これはロブスタ君の出番！

　強すぎて単体では飲みにくい劣等生ロブスタ君のは、水出しコーヒーでは良い仕事をしてくれる。

　ロブスタ君の個性である強い苦味が、低い温度で抽出することで抑えられて、程よい味わいとなる。

　試しにロブスタ五十パーセントのブレンドで水出しコーヒーを作ってみたが、とても美味しく楽しめた。

　ブレンドは、自分好みのコーヒーを自分なりに作る楽しい作業。ぜひ、理想の味を探してほしい。