第9話 ブレンドのすすめ

 カフェに行った時に、気になっていた豆やお気に入りの豆を注文するのもとても良いけれども、やはり一度は、その店のブレンドを頼んでみてほしい。


 その店の主人調合した自慢の豆。こだわりの強い店主ならば、きっと天候や気温にまで気を配った素敵なブレンドを用意しているだろう。

(ま、まさか、売れ残った豆をそのまま何もブレンドしているなんてことは……ないよね? ないですよね? ないと信じてます)


 特にカフェの名前をそのまま冠したブレンドは、店の店主のこだわりの極みと考えられる。それぞれの店の主のこだわりの差が出るところであるから、カフェごとの微妙な違いをぜひ楽しいもらえれば、新しいカフェの楽しみも出てくる。


 こじんまりした小さなカフェで、メニューに店主独自の豆の紹介が載っているようならば、そのカフェはきっと、ブレンドが美味しいカフェなはずだ。

 ブレンドを頼んで、出てきたコーヒーの香りを楽しんで口をつければ、カフェをオープンするほどの豆の専門家のベストなブレンドが口に広がる。


 好みが合えば、それも無論嬉しいが、解釈違いで、自分の好みと違う味だったとしても、それもきっと楽しい。

 ああ、こういう解釈もあるのね、でも、私ならばもっと今日は酸味を強くして、暑い日でも飲みやすい味にするのに! なんて、好みの味にするためにはどの豆をブレンドするのかを想像して、したり顔で飲み干せばいい。

 

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