第2話 麻袋
珈琲豆を運ぶ袋と言えば、麻袋。
通気性に優れていて、丈夫。
コーヒー豆を入れて運ぶにはも持ってこいの素材だ。
これを珈琲に関連する業者は、「マタイ」と呼ぶ。
イルガチャフをマタイで欲しいのだけれども、在庫はどうだろう? という風に使うのだ。そして一袋も、「一タイ」と読む。
麻袋の大きさは、生産国や豆によって違うので、一袋と一言で言っても、大きさは違う。
一袋が、三十キロだったり六十キロだったり、七十キロだったり。
三十キロの特別な豆はともかく、普通の豆の麻袋の大きさなんて物は、長い長いコーヒーの歴史の中で、そろそろ国際規格を作ってはいかがだろうか? と思うのだが、世の中そう甘くはない。
それぞれの国が、それぞれの都合により、さまざまな大きなの麻袋を使い続けている。
コーヒー豆の産地といえば、ブラジル、イエメン、ベトナム、ペルー、コスタリカ……仲が悪いのだろうか? というよりかは、世界各国に広がり過ぎて、収集がつかないというのが、正直なところか。
だから、一袋と言われたら、その豆の産地、名前から大きさを調べる。
とても面倒だが仕方ない。
ところで、このコーヒー豆の麻袋の表面には、豆の名前などが印字されいるのだが、その素朴で粗雑な感じがおしゃれだということで、インテリアにも活用されるのだか。興味を持ったなら、その麻袋に印字されている文字を読み取って、どこの国どんな豆が入っていた麻袋なのかに想いをはせて、遠い国のコーヒー農園を想像してみてほしい。
ほんのりと麻袋に残るコーヒー豆の香りは、異国の広い農園の空気を運んできてくれるはずだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます