第20話 焙煎をお家で? 覚悟は出来ているのかい?
コーヒーの生豆がネット通販でも一般人でも手軽に購入できるようになった昨今。一キロ程度の豆を買って、自分で焙煎から体験してみたいと思っている人もいるだろう。
覚悟は出来ているかい? 腹はくくっているかい?
私の中の謎の老婆が、偉そうにふんぞり返って講釈を垂れる。
いいかい? 生豆を焙煎すること自体は、フライパンでコンロでも出来る。
そんなに気にすることはない。
火にかけて、まんべんなく好みの焙煎度まで煎ればいい。
だが、その時に、恐ろしいことが起こる。
……分かるかい?
散るんだよ。豆の皮が!!
バンバンと脳内の謎の老婆がバンバンと机を叩く画像は置いておくとして。
それはもう、焙煎の火によって乾燥して軽くなった豆の皮が、フワフワと上昇気流に乗って部屋に広がる。
焙煎とは、この皮の掃除も含めた作業だと心得なければ、家人から冷たい視線を浴びて、せっかく煎れたコーヒーの味も不味くなってしまうだろう。
知り合いの経験豊かな焙煎師は申しました。
試してみるなら、キャンプ場とか……屋外が良いんじゃないかな?
なるほど。
屋外、キャンプの際に、コーヒーの生豆を持ち込んで。自分で煎って、挽いてドリップ。ソロキャンのゆったりした時間にぴったりな贅沢なひと時が楽しめそうだ。
まあ、屋外だろうが、豆の皮が飛ぶことは変わりないので、周囲への配慮は必要だろうが。屋内で繰り広げられる果てしない掃除を考えれば、ましかもしれない。
たぶん……。
それでもやっぱり、ご家庭で焙煎してみたいのならば、ちょっとかさばるし値段も少々高いが、焙煎用の器具を揃えた方が無難かもしれない。
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